北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するため慶尚北道星州に在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)が臨時配備されたが、肝心の運用のための基地工事は昨年9月以降事実上ストップしていることが26日までに分かった。工事のために必要な建設資材や装備の搬入を、THAAD反対派団体や一部地域住民らが妨害し続けているからだ。
韓国軍の関係者は26日、記者らの取材に応じて「米軍の宿舎はもちろん、THAAD関連の施設工事もきちんと進んでいない」と語った。韓米は2016年9月、慶尚北道星州のゴルフ場にTHAADを配備することで合意した。在韓米軍は昨年4月、星州にTHAADのランチャー2基を持ち込み、昨年9月に残余のランチャー4基を追加搬入した。その後、工事ができずにいるのだ。在韓米軍の関係者は「韓国政府はTHAAD配備問題を放置しているようだ」と語った。
26日午後、慶尚北道星州郡韶成里村の入り口に差し掛かると、鉄製のバリケードが2車線道路をふさいでいた。昨年4月にTHAAD配備反対派団体や一部地域住民が設置した1次検問所だ。ここから星州の在韓米軍基地までは2キロ。警察によると、およそ10人が2人ずつ組を作って24時間、通行車両を検問している。米軍の車両や装備を載せた車を止めているのだ。記者が周辺の写真を撮ると、私服姿の50代の男性が近づいてきた。彼は「さっき写真を撮らなかったか。俺が見ている前で消せ。ここはわざわざ取材する場所じゃない」と言った。
昨年9月7日にTHAADのランチャー4基が臨時配備されると、1次検問所から1キロ入った橋の入り口に2次検問所ができた。2車線道路の半分を横幅5メートル、高さ3メートルの巨大なテントが占領している。2次検問所からTHAAD基地までは1キロほど。1次検問所の人員の一部が交代で2次検問所を守っている。