フィリピン賭博で拉致される韓国人、背後には中国人貸付業者も

 中国人の貸付業者と組んで演技したり、自演劇を演じたりするギャンブラーもいる。家族に内緒でフィリピンでカジノに通い大金を失ったり、ギャンブルに手を染めたことで家族との仲が悪くなってしまった人々だ。こうした人々は、貸付業者と組んで拉致されたように見せ掛け、実際に借りた金額よりも多くの資金を家族に送金させる。この資金でまずは借金を返済し、残りの金で再びギャンブルに走る。ギャンブルということを隠すために臓器密売業者に拉致されたと韓国にいる家族を欺いたりもする。イ・スボク領事は「韓国にいる家族からの通報で、現地警察と共に現場に乗り込んでみると、カジノ付きのホテルで優雅な生活を送っているケースが多い。自演劇と思われるケースが多いが、ほとんどは『警察が駆け付けたのを知って貸付業者がたった今逃げ出した』と白を切る」という。

 中国の貸付業者と韓国人ギャンブラーが引き起こす事件や事故による被害は、韓国大使館と現地在住の韓人会にブーメランとなって返ってくる。拉致監禁から救出された韓国人たちは、韓国国内で賭博罪により処罰されるのを恐れ、記録が残る現地での告訴をせず、すぐに帰国してしまうケースが多い。外交部の在外国民保護課も「現地警察の間でも『韓国人のギャンブラーたちは警察という公権力を不当に利用する』と不満をもらすことが多い。フィリピン警察も、今では同じような通報が寄せられても、積極的に捜査しようとはしない」と話した。

イ・ジョング記者
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