フィリピン賭博で拉致される韓国人、背後には中国人貸付業者も

 大使館によると、中国人貸付業者は、カジノの従業員として働いていたコン容疑者のように、カジノ周辺の至る所にエージェントを忍ばせ、ターゲットを模索する。エージェントは、ギャンブル目当てで訪れた韓国人と中国人の両方に気軽に接触することができる朝鮮族を好んで雇用する。カジノでお金を失った人を探し、ギャンブルの資金を貸し付ける。通常は1週間の返済条件で、現金ではなくカジノチップで融資する。1週間で元金と共に20%の利子を返済しなければならない。借りた資金ですぐにギャンブルさせ、逃げることができないようにパスポートを担保として受け取る。貸付金を返済することができなければ、拉致して韓国にいる家族から金を受け取る。元金と利子を合わせた金額よりも大きな額を要求するのは茶飯事だ。大使館は、賭博罪による処罰が怖くて通報できなかったケースまでを合わせると、これまで明るみに出た拉致監禁事件は氷山の一角にすぎないと見ている。

 遠くからやって来たギャンブラーたちが常にやられっ放し、というわけではない。資金を返済せずに韓国に逃亡してしまうギャンブラーたちもいる。貸付業者が督促すると、大使館に拉致や暴行に遭ったと通報する。通報を受けた大使館と現地警察が出動し、貸付業者からパスポートを受け取り、ギャンブラーは韓国に帰国する。違法融資を行った中国人貸付業者が所有している借用証は、無用の長物となる。

イ・ジョング記者
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