11月7日から8日にかけてのドナルド・トランプ大統領の訪韓は、無難に進んだという見方が多い。会談前に噴出していた懸念は、ほとんどが杞憂(きゆう)に終わった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は青瓦台で予行演習まで開き、トランプ歓迎に心を込めた。さらに、韓国が建設費用の92%を負担した米軍基地キャンプ・ハンフリーズに出向いてトランプ大統領を迎えたのは、今回の会談のハイライトだった。
それでも、トランプ大統領の訪韓が韓米両首脳間の関係をどれだけ緊密にしたか-という面では、振り返ってみる必要がある。トランプ大統領の訪日とあらためて比較してみよう。トランプ大統領は今月5日夕、ゴルフを共にした安倍晋三首相と都内の鉄板料理の店で向かい合った。トランプ大統領は「米日の強い北朝鮮圧迫の意志は一致している。韓国がついてくることが重要だ」と言った。安倍首相も「それが重要だ」と調子を合わせた。日本メディアが報じるこの場面は、米日首脳が互いにファーストネームで呼び合うだけでなく、韓国をどのように動かすかを相談するほどになったことを示唆している。安倍首相はトランプ大統領への過度な密着で一部批判されたが、韓国人にとっては、ぞっとするほどうらやましい場面にほかならない。「ドナルド」と「晋三」は、7日の青瓦台の夕食会に元従軍慰安婦が出席することまで話題にした。推測だが、トランプ大統領は元従軍慰安婦と会うことについて事前了解を求めた可能性が高い。それに比べ、夕食会場の元従軍慰安婦や独島(日本名:竹島)エビで自尊心を表現するような青瓦台のPR法は、見ていてやるせない。国務省の韓国課長を務めたストラウブ氏は「首脳夕食会の一部の企画は不適切だった。韓日間の問題に米国を引き込もうとするのは正しくない」と語った。