■暴行される救急隊員
消防隊員は暴行や暴言にも苦しめられている。今年7月20日午後8時11分ごろ、忠清南道の119総合状況室に「頭が痛くて目まいがする」と通報が入った。天安市仏堂洞の通りにいる通報者を助けるため、天安市の双竜119安全センターでは救急車を出動させた。現場に到着した女性救急隊が通報者を発見し「どこが苦しいですか」と尋ねると、通報者は酒の臭いを漂わせながら「○○女め!」とどなり、手に持っていた携帯電話で救急隊員の頭をたたいた。この女性救急隊員は現在も、酒に酔った人間から救急の通報が入ると、昔の記憶を思い出して不安を感じるという。裁判にかけられた通報者は懲役1年、執行猶予1年、保護観察200時間、社会奉仕命令20時間を言い渡され、釈放された。
消防・救急隊員に対する暴行事件は、14年に131件、14年に198件、16年に199件と増加傾向にある。出動して通報者に暴行され、全治2週間のけがをした27歳の消防士は「救助の過程で、いつも暴行を意識するようになった。そのせいで、本当に助けが必要な人を心を込めて救助できないのではと心配」と語った。