韓米首脳会談:文大統領の目の前で中国を叩いて踏み絵を迫ったトランプ大統領

 この措置をめぐって、外交消息筋は「今回の制裁は米国と事前協議がなされたもの。発表の時期についても、米国が前もって韓国側に了解を求めた」と語った。しかしこの言葉の通りだとしても、米国が発表の時期を決めて通知してきたのは間違いない。また、別の外交消息筋は「トランプ大統領は、来月初めに開かれるG20(主要20カ国・地域)サミットで中国の習近平国家主席と会う前に、北朝鮮制裁を発表することを望んだ」と語った。習主席と会う前に、北朝鮮問題に関して中国を圧迫するカードを切り、交渉の「てこ」として使おうと考えたという。ホワイトハウスのハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も同日「北朝鮮に対する中国の経済的圧力は十分ではない」と語った、

 米国は、トランプ大統領が6月20日にツイッターで「中国による北朝鮮圧迫の努力はありがたく思うが、その努力はきちんと通用しなかった」とコメントして以来、「中国たたき」を続けている。6月21日に開かれた米中の高官級外交・安全保障対話では「北朝鮮に対する圧迫をもっと強化せよ」と要求した。6月27日には、国務省が「2017人身売買報告書」を発表し、中国を「最悪の人身売買国」に格下げした。

 対中外交の基本原則たる「一つの中国」を揺るがす台湾カードも、相次いで切っている。米国連邦議会の上院軍事委員会は6月28日、1979年の米中国交正常化以来初めて、米海軍が台湾の港に停泊できるようにする国防授権法案(NDAA)を通過させた。また29日には米国務省が、レーダーの部品や魚雷など13億ドル(約1460億円)相当の武器を台湾向けに売ることを承認した。

ワシントン=趙儀俊(チョ・ウィジュン)特派員
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