朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件をめぐる国会聴聞会での偽証に対しては、少し様相が異なるようだ。国政介入事件と朴大統領が絡む疑惑を調べる特別検察官の捜査チームが、捜査の「武器」として使うため、国会に偽証の告発を積極的に要請しているのだ。文亨杓(ムン・ヒョンピョ)前保健福祉部(省に相当、以下同じ)長官は聴聞会で、同部所管でサムスン物産の大株主だった国民年金公団にサムスン物産と第一毛織の合併に賛成するよう指示したことはないと証言したが、特別検察の捜査で指示を認めた。特別検察は職権乱用と偽証の疑いで文氏を逮捕した。立証の難しい職権乱用容疑に、誰が見ても明らかな偽証を組み合わせて逮捕したのだ。
この先も、特別検察は同じ手を使うようだ。要請を受けてすでに5人が偽証で告発された。その中には、朴政権に批判的な文化芸術界関係者をリストアップした「文化界ブラックリスト」について、聴聞会で「見たこともない」と証言した趙允旋(チョ・ユンソン)文化体育観光部長官も含まれている。本当に偽証なのかどうか、今はまだ分からない。だが、今回の聴聞会が「うその証言」に警鐘を鳴らすことになるのは間違いなさそうだ。米国では偽証は重罪と見なされている。国会で偽証すればほとんどの場合、逮捕される。うそには代償が伴うべきだ。