【コラム】「潘基文大統領」なら韓国外交はうまくいくのか

 最近来韓した潘総長は「南北双方との対話チャンネルを維持してきたのは、私が唯一ではないかと思う」と述べた。潘総長がこれまで傾けてきた平壌訪問への情熱と努力は並外れたものがある。米国の次期大統領候補に名乗りを上げるドナルド・トランプ氏も金正恩(キム・ジョンウン)氏と話し合って核問題を解決したいと意欲を見せる。北朝鮮が「絶対に諦めない」と公言していることを、綿密な戦略も手段もなしに「諦めさせる」と意気込んで北朝鮮との対話を進めるのは、これ見よがしなポピュリズム政治に他ならない。北朝鮮との対話チャンネルは、誰がつくるとか誰が所有するとか言えるものではない。北朝鮮当局が必要だと信じれば、それまで無かったチャンネルが生まれるし、それまであったチャンネルが突然無くなることもあり得る。北朝鮮を圧迫してばかりで時間の流れが停滞したのではなく、内外で(国が)分裂し、効果的な警告の一つもできないまま時間が流れてきた。これまでに潘総長が示した北朝鮮観は、与党セヌリ党よりも野党の北朝鮮観に近い。

 戦争による廃虚から立ち上がった韓国の奇跡が、潘基文国連事務総長を生み、潘総長は尊敬される韓国人に名を連ねるようになった。今後の評価は自身の選択と国民の判断が合わさって決まるだろう。潘総長の「経験と能力による外交」はこれから韓国の実情に合わせた形にアップグレードし、「戦略外交」に手直しすべきだ。

金泰孝(キム・テヒョ)成均館大学政治外交学科教授
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