■現場確認から廃炉作業まで
現在は事情が異なる。日本は任務に合わせたさまざまな形態の原発ロボットを開発した。事故当時に最も緊急の課題だったのは、内部がどんな状況なのかを把握することだった。福島原発の内部は冷却水で満たされていた。
東芝が開発したボート型ロボットは、2013年11月に原子炉1号機の格納容器にひびが入っていることを初めて確認した。ホンダはアシモに使われる関節安定技術で長さ7メートルのロボットアームを伸ばし、原発内部の孤立した場所を調べた。日立は原子炉の配管内を移動し、漏水の生むを確認するヘビ型のロボットを開発した。
福島原発事故から5年が経過した今、ロボットの任務は内部の状況確認から廃炉作業へと変わった。東芝は最近、冷却水で満たされた原子炉内部に潜り、2本の腕で残がいや廃燃料棒を除去するロボットを発表した。2017年から作業に投入される予定だ。
菊池製作所は昨年、早稲田大と共同開発した災害対応ロボット「オクトパス」を発表した。無限軌道と4本の腕を備え、1本の腕で200キログラムまで持ち上げられる性能を持つ。4本の腕で支えれば、ロボット本体を持ち上げることも可能だ。8本の足を持つタコのように全ての腕を移動に使うことができる。
日本はこうした原発ロボット第2世代新たなチャンスをつかむことを期待している。日本のエネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の弓取修二・ロボット機械システム技術局長は、ジャパン・タイムズのインタビューに対し、「日本が『福島スタンダード』に合わせたロボットを開発すれば、世界市場で日本製ロボットが最高レベルになる」と指摘した。
一方、韓国でも原発作業用ロボットが数台開発されてはいるが、事故対応ロボットの開発は昨年始まったばかりだ。専門家によると、今事故が起きても、原発内部に投入できるロボットはまだないという。それでも福島原発事故をきっかけに開催されるようになった米国の災害救助ロボット大会で昨年6月、韓国科学技術院(KAIST)の二足歩行ロボット「HUBO(ヒューボ)」が優勝したことはせめてもの慰めだ。