福島原発事故5年、ロボット産業発展の契機に

 2011年3月11日、日本の東北地方を直撃したマグニチュード9.0の巨大地震による津波で東京電力福島第1原子力発電所の1-4号機では大規模な放射能漏れ事故が起きた。

 それから5年たった現在、日本は事故を教訓として、さまざまな技術を開発している。特に注目されるのがロボットだ。ロボット大国を自称していた日本は、事故当時に原発内部に送るロボットが存在しないことに衝撃を受け、大規模な技術開発に乗り出した。最近は危機をチャンスととらえ、原発事故に対応するロボット市場を先取りすべきだとの主張も聞かれるようになった。

■遅れたロボット投入

 福島原発事故は、発電機が停止し、原子炉に冷却水を供給できなくなったことで起きた。冷却水が蒸発してなくなると、核燃料棒が融解し、原子炉の建屋で水素爆発まで起きた。現場では数分で人が死に至るほどの強力な放射能が発生した。

 海外では事故現場に当然ロボットが投入されると考えた。日本は両足歩行するロボット「アシモ」を開発した世界最強のロボット大国だからだ。しかし、日本には放射能に耐えながら、原発内部に入るロボットはなかった。アシモは滑らかな廊下は歩けるが、事故現場では立つこともできなかった。

 原発内外の状況は米国の地雷探知ロボット「パックボット」と無人機「グローバルホーク」が確認した。日本のロボットが原発内部に入ったのは、事故発生から3カ月後のことだった。千葉工業大学と東北工業大学が災害救助ロボットとして開発した「クインス」が戦車やブルドーザーのような無限軌道で移動し、カメラで内部を撮影したり、放射線量を測定したりした。

 科学誌サイエンスは「日本のロボットが事故当時に無力だったのは、原発で事故が起きるとは考えていなかったからだ」と分析した。日本は1980年代に放射能に耐えながら階段を登るロボットを開発したが、実験用にすぎなかった。99年に茨城県東海村の核燃料再処理施設で事故が起きた際にもロボットを使用しなかった。

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者
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