世界金融危機に比較的うまく対処した韓国だが、その「うたげ」はあまりにも短く終わった。韓国経済は国際的な不況に国内の体質改善の遅れが重なり、一足遅れで長いトンネルに入っている。政府はあれほど先延ばしにしていた企業の構造改革を今になって声高に叫んでいるが、どれだけ実践できるかは疑問だし、政府と銀行が危ない企業を数社廃業させたからといって、競争力が復活するわけでもない。根本的な見方をすれば、20年前の日本の後を追っているような今の韓国は、長期不況という氷河期を耐え抜いた日本企業を徹底的に研究してそこから学び、再び経済力を付ける必要があるだろう。
来月2日には朴槿恵(パク・クンヘ)政権になって初の韓日首脳会談が行われる。両国は今年、国交正常化50周年を迎えた。考えてみれば韓国はこの50年間の経済成長も、「克日(日本に勝つこと)」を目標に、日本に学びながら成し遂げてきた。だが、対日貿易ではこの50年間で黒字だった年がない。日本は依然として、韓国が歯を食い縛って学んででも勝たなければならない相手なのだ。歴史問題も重要だが、朴槿恵大統領には、50年前に父親の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領(当時)が全国民の激しい反対を押し切って韓日国交正常化を強行した時の苦悩や実利戦略を振り返り、より大胆かつ柔軟に両国関係を解きほぐしていってほしい。