【記者手帳】死刑囚が好待遇を受ける時代、正義はどこに

 「殺人現場を見れば死刑賛成論者となり、死刑執行の現場を見れば死刑反対論者になる」という言葉がある。元刑務官はどう考えているのか、電話でインタビューを行ったところ「刑務官をしていて死刑賛成論者になった」「彼らの犯行について知ると、被害者の家族が『法律が裁かないのなら自分がやる』と考えるのも当然だと思う」「私は国の制服を着用し、犯人らを被害者家族から守る仕事をしているが、この仕事は不条理だと感じることもある。ユ・ヨンチョル事件で犠牲になった被害者の兄と弟が自殺したというニュースを見て、そのように考えるようになった」「死刑制度のない国は人権を守る国だろうか。被害者の痛みから顔を背ける国が人権を守る国なのか」などと語った。被害者はすでに死んでしまったので考慮の対象ではなく、生きている加害者が逆に「人権保護」の恩恵を受けるという皮肉な状況が現実に起こっているのだ。

 死刑囚たちには1日3食が与えられ、時には特別メニューも口にでき、しかも労役がない「特別待遇」を受けている。そのような現状について「彼らも毎日『不安』という拷問を受けている」という言い訳などすべきでない。むしろ被害者の家族がひどい拷問を受けているからだ。被害者家族に一言の謝罪をしなくとも、法律が彼らを生かし、保護してくれる。このような国の態度は「放棄」以上でも以下でもない。死刑囚の待遇だけでも見直し「長生きする死刑囚」に何らかの形で自らの罪の代価を払わせるか、あるいは罪の償いをさせなければならない。上記の刑務官は「一生働かせて、その金で被害者を救済する基金を立ち上げるべきだ」と訴えている。いずれにしても、最低限の正義が必要ではないだろうか。

デジタルニュース本部=朴垠柱(パク・ウンジュ)本部長
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