【寄稿】LINEは日本企業か、韓国企業か

企業国籍の在り方を問う

 第三にロッテグループを日本企業と定義すれば、韓国市場が外国企業に対し閉鎖的ではないという点を対外的にアピールできる。日本国籍の企業が韓国の5大グループの一角に成長したという事実は韓国市場が外国人投資家に開放されていることを示す重要な見本になる。

 韓国に進出した外資系企業の地位は、08年の世界的な金融危機以降、大きく低下した。07年には外資系銀行を除いても、GMコリア、ノキアTMC、シティバンクなど外国人投資企業が100大企業に含まれていたが、14年にはGMコリア1社を残すのみとなった。外資系企業の不振は外国人投資家に悪影響を与える。それを防ぐためには、韓国市場が外資系企業や外国人投資家に対し閉鎖的だというイメージを改善しなければならない。

 あるいは世界化の時代に企業の国籍を問う意味はないという意見もあるかもしれない。また、企業の支配構造が複雑化する状況で、企業を国籍で分けること自体が難しくなっている。しかし、現実的理由からも企業の国籍は決して放棄してはならない。一般人が今も企業の国籍を重要視しており、世界化政策に対する国民的支持を確保するためには、海外に進出する企業の母国アイデンティティーを強調しなければならないからだ。 

 日本のモバイルメッセンジャー市場を掌握したLINEを韓国企業の手本として活用するならば、ロッテグループを日本企業として認めるべきだ。韓国企業の積極的な海外投資を促進し、多くの韓国企業が日本市場に進出することで、韓日の経済協力が増大させるとと同時に、韓国市場の開放性向上に向け、ロッテグループが日本企業であることを認めるオープンな姿勢が求められる。

モ・ジョンリン延世大国際学大学院教授
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