【寄稿】LINEは日本企業か、韓国企業か

企業国籍の在り方を問う

 大半の韓国人はロッテグループもラインも韓国国籍であることを望むだろうが、それを裏付ける論理的な根拠は貧弱だ。仮に支配株主の国籍を基準にすれば、ロッテグループは日本企業、LINEは韓国企業になる。ロッテグループの持ち株会社、ホテルロッテの株式の99%は日本のロッテホールディングスと日本登記の投資会社が保有している。一方、LINEジャパンは韓国企業のネイバーが全株式を保有している。

 結局我々はロッテとLINEのどちらを韓国企業と見なすか選択を迫られる。(どちらかを選べば、残る1社は自然に日本企業になる)慎重に筆者の考えを述べるならば、韓国社会はLINEを韓国企業とする考えを広く受け入れるべきだ。法制度と経済活動地域ではなく、企業に実質的な影響力を行使する国を基準にして、ロッテは日本企業、LINEは韓国企業だと認識するのが望ましい。その理由は次の3つだ。

 第一に、LINEを韓国企業と定義することを通じ、韓国企業が海外に進出すると、母国のアイデンティティーが薄れるという懸念を払拭(ふっしょく)できる。親会社が支配する海外子会社は経済的にも文化的にも国内企業と多くの部分を共有する。ラインが韓国企業と認められれば、より多くの企業が国内世論を意識せずに積極的に海外投資を行える。世界化を促進するためには支配株主の国籍によって多国籍企業の国籍を判断するのが望ましい。

 第二に、LINEを韓国企業と定義すれば、日本市場で成功した韓国企業の代表的先例ができる。これまで韓国のグローバル企業は日本市場で苦戦してきた。現代自動車は2009年に年間1000台も売れずに日本市場から撤退した。14年第4四半期現在でサムスン電子の世界シェアは20.0%だが、日本市場でのシェアは4.7%にすぎない。こうした状況で韓国企業LINEの日本市場での成功は両国の貿易不均衡を解消し、経済協力を進める上で重要な事例になる。

モ・ジョンリン延世大国際学大学院教授
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