【コラム】世界ランク1位リディア・コーの残念すぎる寄付

周囲の大人がしっかりとアドバイスを

 ただしこのようなアスリートたちの寄付が、いつも我々の心を和ませてくれるわけではない。女子ゴルフの世界ランキング1位でニュージーランド在住のリディア・コー(韓国名コ・ボギョン)は、先日テキサス州での大会に出場した際「賞金の全額を地震の被害を受けたネパールに寄付する」と表明した。リディア・コーはおそらく本当に優勝し、優勝賞金の19万5000ドル(約2300万円)を寄付したかっただろう。しかしその計画は思い通りにはいかなかった。リディア・コーは1ラウンドが終わった時点で117位タイと振るわず、一時は途中で脱落しそうにもなった。最終的にリディア・コーが寄付できた額は6241ドル(約75万円)だった。

 一部のファンたちは「それでもリディア・コーは追加で寄付するだろう」と期待していたが、それも行われなかった。そのためリディア・コーが最初から一定額を寄付しなかったことに誰もが疑問を感じるようになった。リディア・コーはまだ18歳と非常に若いが、ここ1年半で手にした賞金総額は300万ドル(約3億6000万円)に達する。今シーズンもすでに91万5051ドル(約1億1000万円)を獲得し、現時点で賞金ランキング1位だ。

 リディア・コーはアマチュアだった時、韓国のある銀行から1億ウォン(約1100万円)の支援を受け、また来年のリオデジャネイロ・オリンピックにはニュージーランド代表として出場する。その一方で在外国民特別選抜によって高麗大学に入学していることから、誰が見ても「一流大学の看板」を手にしやすい道を選んだのは明らかだ。そのような中、今回のようにすっきりしない寄付問題まで浮上した。もちろんリディア・コーに「聖人君子になれ」と言っているわけではない。ただ周りにいる大人たちが「尊敬されるスター」か「一介のゴルフ選手」かの分かれ道で迷っているリディア・コーに、しっかりとアドバイスできなかったのは確かなようだ。今の名声にそぐわないリディア・コーの行動は誰がみても残念だ。

スポーツ部=趙正薫(チョ・ジョンフン)部長
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