午後3時ごろには保守団体が新たに風船を持ち込み、ビラを飛ばそうとしたが、それも阻止された。保守団体のメンバーを乗せたバスは午後4時20分ごろ、臨津閣を出て、南に約20キロメートル離れた烏頭山統一展望台に移動した。しかし、ここでも待ち受けていた周辺の商工関係者や進歩団体のメンバー約100人に阻まれた。進歩団体側がビラ入りの箱を奪って焼こうとしたため、乱闘も起きた。双方は警官隊を挟んでにらみ合いを続け、午後6時ごろに解散した。
その後、自由北韓運動連合のパク・サンハク代表ら一部保守団体のメンバーは、金浦市月串面に移動し、午後7時20分ごろに北朝鮮向けのビラ2万枚を風船1個に取り付けて飛ばした。ビラには北朝鮮の3代世襲と独裁に対する批判、張成沢氏の処刑に関する内容が書かれているという。パク代表は今後もビラ飛ばしを続ける意向を示した。
北朝鮮へのビラ飛ばしをめぐる衝突はこれまでにも起きている。韓国軍によると、一部保守団体が先週、ビラ飛ばしを行おうとしたが、住民や進歩団体との衝突で中止されたという。北朝鮮は以前のように対空砲を撃つような軍事的対応ではなく、韓国内部での対立を助長しようとしている。北朝鮮の朝鮮中央通信は25日「坡州地域の市民団体メンバーと住民らがトラクターを動員し、保守団体の風船を奪って破るなど、強硬な抗議闘争を行った」と伝えた。
韓国政府関係者は「結果的に見て、ビラ飛ばしに関する北朝鮮側の脅しは、韓国内部での対立を助長するためのもので、実際に相当の効果を生んだ」と指摘した。一方、環境運動連合は「ビラ飛ばしはごみの不法投棄と環境汚染に当たる」とし、自由北韓運動連合のパク・サンハク代表らを警察に告発した。