韓日歴史問題を語る時に忘れてはならないのが1998年の金大中(キム・デジュン)-小渕宣言(日本名:日韓共同宣言)だ。これに深くかかわっていた日本の関係者は現在の状況をこう説明する。「日本社会はこれまで植民地支配という原罪のため韓国の無理な要求も受け入れなければならないという雰囲気があった。だが、文在寅政権になると変わった。既存の日韓合意をすべてひっくり返そうとするので、右翼の声が強くなった。今では私のような人たちが韓国と親しくすべきだという声を上げるのは難しくなった」
文在寅政府の後押しで、これまで「無限権力」として疾走してきた慰安婦被害者支援市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)とその前理事長・尹美香氏に失望したという親しい人々も少なくない。そのうちの1人は、尹美香疑惑が取りざたされた後、「文在寅政権になってまるで官職を得たかのように振る舞う人たちの偽善をよく目にしてきたので、あまり驚いていない」と冷笑するような反応を見せた。
文在寅大統領に対する日本国内の親韓勢力の失望感は表面化しつつある。韓日関係を重視する毎日新聞・朝日新聞が文在寅大統領に批判的なのは、今ではニュースにもならないほどだ。慰安婦問題解決などのために努力してきた功労で「萬海平和大賞」を受賞した和田春樹東京大学名誉教授も憤っている。和田氏は「文在寅大統領は被害者中心主義を主張しながら、慰安婦被害者の4分の3が日本政府からの慰労金を受け取った事実を認めないのは矛盾だ」と批判した。
与党と親文在寅勢力が頻繁に利用する「親日派」は、かなり前に有効期限が切れた概念だ。それでも「親日派は依然として存在している」という彼らの主張を認めるなら、この3年間で日本社会の親韓勢力を委縮させ、嫌韓勢力の力を拡大させてきた文在寅大統領とその周辺勢力を親日派と呼んでも差し支えはなさそうだ。
東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員