【コラム】どっちの方が親日派なのか

文大統領のこの3年間、相次いできた韓日関係破壊
日本の右翼には活路開き、親韓勢力は消滅の危機に

 「第二次世界大戦後、知性的で思想的な蓄積をしてきた日本の良心勢力は確かに存在したが、もしかして、日本ではそうした方々が声を上げられない雰囲気なのか」

 昨年10月、駐日韓国大使館の国政監査場。与党「共に民主党」金富謙(キム・ブギョム)議員の質問が国政監査場で耳目を集めた。なぜ以前とは違って日本の進歩系勢力が韓国を応援する姿が見えないのかという嘆きから出た言葉だった。

 南官杓(ナム・グァンピョ)大使は当時、赴任して5カ月を越えたばかりだった。大使が半年にも満たない間にひしひしと感じた日本の状況が国会の速記録に残っている。「日本にも良心的な考えをお持ちの方々が少なからずいる。時々そうした方々の声がメディアを通じて発表されることもあるし、団体的意思表示もあるが、割合的には非常に疎外されている感があり、かなり残念だ」。南大使は公務員になって30年余りだが「慎重すぎる」と評されている。その外交官が「非常に」「かなり」という修飾語を使って親韓勢力の状況を描写するのは異例だった。

 与党ベテラン議員と青瓦台国家安保室第2次長出身の南大使が東京の真ん中で交わした重い会話。このやり取りは2017年5月の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足以降、日本国内の親韓派の人々が直面している状況をよく表しているエピソードだ。現政権がこの3年間で慰安婦問題合意破棄・徴用問題賠償推進・韓日請求権協定無視で韓日関係を壊してきた結果は惨たんたるものだ。日本国内の嫌韓右翼の活路を大きく切り開いた一方で、親韓派は南大使の表現通り「非常に」疎外されてしまった。

 1965年の国交正常化以降、韓日歴史問題が韓国の市民団体だけで進展されたことはなかった。東海(日本名:日本海)の向こうで手を取り合ってきた彼らが日本の政治の中心地・永田町を動かしたから前に進めることができたのだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権の母体となった1980年代の韓国の民主化運動にも貢献した。サハリン残留韓国人が帰国できたのも大沼保昭東京大学名誉教授らの貢献が大きかった。そうした人々は現政権になってから日本社会で疎外されているのはもちろん、厳しい目で見られる羽目になってしまった。

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