【コラム】韓国に迫る「下流老人」問題の足音

 NHKの報道が呼んだ波紋は、孤独死とは比べものにならないほど大きかった。平凡でまじめに生活していた普通の人々が、長生きしたがために貧困層に陥ってしまう社会の中で、自分の老後も安心してはいられないという危機感が急速に広がった。

 日本の週刊誌「週刊現代」はこのほど、「下流老人に一番なりやすいのは『年収700万円世帯』」と報道した。ある程度経済的余裕がある人々の方が、かえって将来のための準備を怠っているからだという。経済誌「プレジデント」は「『子ども最優先』夫婦の行く末は老後破綻(はたん)」と報道した。

 最近の統計庁の調査によると、韓国は2026年に65歳以上の人口が全人口の20%を超える超高齢社会に突入する見通しだ。韓国は日本よりも深刻な事態に陥る可能性が高い。日本の高齢者には資産家が多いが、韓国の高齢者の貧困率は53%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも最下層だ。中産層もほとんどが子どもの私教育費につぎ込み、自分たちの老後の備えは後回しだ。

 約10年後、韓国も超高齢社会を迎える。今からでも日本の事例を参考にして対策作りに努めなければならない。ただ「遠い将来のことなのに」と何もしないでいれば、日本よりもはるかに大きな規模で老後破産・下流老人問題にぶつかることになる。

国際部=呉允熙(オ・ユンヒ)記者
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