現職大統領初の逮捕・勾留に加え閣僚ら25人起訴、6時間で尹錫悦政権崩壊の憂き目 非常戒厳1年

■尹・前大統領の部下は捜査と裁判で「焦土」化

 検察から軍検察、今年6月に発足した内乱特検へと事件が移っていく中、戒厳に関連して裁判にかけられた人物は尹・前大統領を含め計25人に上る。

 内乱特検は、非常戒厳宣布前の国務会議(閣議)に出席した前政権の閣僚から狙った。韓悳洙(ハン・ドクス)前首相を含め、李祥敏(イ・サンミン)前行政安全相、趙太庸(チョ・テヨン)前国家情報院長、金竜顕・前国防相などを内乱容疑で起訴した。朴性載(パク・ソンジェ)前法相は裁判所で2度にわたり勾留状請求が棄却されたが、間もなく補強捜査を経て在宅起訴となる見込みだ。韓・前首相は、非常戒厳の違法性を知りつつも大統領を制止せず、国務会議招集を建議した疑い(内乱首謀者ほう助)などで起訴され、一審判決の言い渡しが来年1月21日に迫っている。特検は、韓・前首相に対して懲役15年を求刑した。

 特検は、非常戒厳宣布の名分をつくるために韓国軍の無人機を平壌に送り込んで安全保障上の危機状況をつくったとして、外患容疑(一般利敵)で尹・前大統領と金竜顕・前国防相などを起訴した。

 軍指揮部も「焦土」と化した。戒厳司令官だった朴安洙(パク・アンス)前陸軍参謀総長、呂寅兄(ヨ・インヒョン)元防諜(ぼうちょう)司令官は内乱に加担した容疑で勾留起訴され、郭種根(クァク・チョングン)元特殊戦司令官、李鎮雨(イ・ジンウ)元首都防衛司令官などは軍事裁判所で裁判を受けている。軍事裁判所と一般の裁判所で裁判を受けている軍人出身者だけでも16人に上る。

■国民の力は政党解散の危機…終わらぬ捜査

 12月14日に終了する内乱特検は、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)国民の力議員、朴性載(パク・ソンジェ)前法相、黄教安(ファン・ギョアン)元首相などに対する最後の捜査を続けている。特に、戒厳当時与党の院内代表を務めていた秋議員は、戒厳解除票決を妨害した疑いが持たれている。現与党側はこれを口実に、国民の力全体を「内乱同調勢力」として追及し、解散論まで浮上している。

 このところ与党側は「3大特検が終了した後、『第2次総合特検』までやるべき」と主張している。鄭清来(チョン・チョンレ)民主党代表は「3大特検で不十分だった部分は、1カ所から追っていって真実を明らかにすべきときが来た」と発言した。

パク・ヘヨン記者

【早わかり】12・3非常戒厳日誌

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  • ▲戒厳軍が昨年12月4日未明、韓国国会本館正門前で、国会事務処職員や補佐陣などと対峙(たいじ)している様子。/写真=キム・ジホ記者
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