ロンドン・東京より高いソウルの食料品価格 OECD平均の1.5倍

■低い農産物自給率、高い流通コスト

 韓国の食料品物価が高い理由は、農産物自給率が低く、海外農産物価格の上昇による直撃を受けることに加え、農産物流通構造が複雑で流通コストが高いためだ。2022年時点の韓国の食料自給率は49.3%で、OECD加盟国で最下位圏だ。2021~23年の小麦・トウモロコシなど穀物の平均自給率は19.5%にすぎない。これは120%以上の米国はもちろん、20%台後半の日本よりも低い数値だ。穀物を中心に食材の輸入依存度が高いため、ウォン相場の変動や原材料価格の上昇にさらされるケースが多い。最近、ウォン相場は1ドル=1400ウォンをうかがっている。韓国農村経済研究院のキム・サンヒョ動向分析室長は「2020~22年の国際穀物価格急騰で韓国も穀物類と加工食品類の価格が大幅に値上がりした」と話した。

 農産物と食材の流通過程でかかる費用が高騰していることも問題だ。韓国農水産食品流通公社(aT)によれば、農産物価格に流通コストが占める比率を示す割合は1999年の39%から2022年には49.7%まで上昇した。タマネギでは76.3%に達し、リンゴ、ナシのそれぞれ62.6%、53.9%と高い。

 専門家はフードフレーションを抑えられなければ、食料費の支出割合が高い庶民の懐事情がさらに厳しくなりかねないと指摘する。韓国統計庁によると、所得下位20%の層の昨年の所得に占める食料品支出は31%で、所得上位20%の層(10.4%)の3倍に達した。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「低所得層や庶民が利用できる低価格食料品の小売ルートを政府が整備する必要がある」と指摘した。

キム・スンヒョン記者、金智燮(キム・ジソプ)記者

【グラフ】主要国の食料品・非酒類飲料の物価水準比較

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