歌舞伎映画『国宝』で日本映画興行収入歴代3位になった在日コリアン監督

映画『国宝』の李相日監督

 『国宝』は任侠(にんきょう)の家に生まれた主人公・喜久雄が歌舞伎の「女形」として成長する物語だ。この映画は「血(血筋)」の意味を問いかける。喜久雄は歌舞伎の名門の血筋に生まれた友人・俊介に「俊坊の血をがぶがぶ飲みたい。俺には守ってくれる血がないねん」と語りかける。

 李相日監督は「血はそれを受け継いだ人にとって強力なアイデンティティーの証明であり、アドバンテージ(強み)であると同時に、抜け出すことができない荷物です。逆に血を受け継ぐことができない人にとっては、いくら努力しても越えられない壁になることもあります。結局、宿命のようなものです」「この映画での血は単なる血縁でなく、歌舞伎という芸術そのものが血なのです」とも言った。

 1980年代に「スティーブン・スピルバーグ監督の『ET』を見て圧倒された」という小学生が、今や日本を代表する監督の仲間入りを果たした。1999年に『青~chong~』でデビューし、2006年の『怒り』は日本アカデミー賞で13の賞を受賞した。昨年は韓国ドラマ『Pachinko パチンコ シーズン2』の演出にも参加した。

 『国宝』は年内にも韓国で公開される予定だが、歌舞伎というテーマはなじみがないだけに興行は未知数だ。李相日監督は「映画は『見てくれ』と強要するのではなく、『見たい』と感じて見に行くもの。主演の吉沢亮と横浜流星は韓国でも注目に値する良い俳優です」「20歳から60歳まで40年もの歳月を、非常に説得力をもって演じています」「吉沢亮が内面で燃え上がる青い炎のようだとすれば、横浜流星は赤い炎のように熱い感情を表現するタイプなので、二つの情熱を比べてみるのも興味深いと思います」と語った。

成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

【写真】在日コリアンの李相日監督が手掛けた映画『国宝』のワンシーン

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