北朝鮮が生産することになるドローンは全長およそ3メートル、重さは200キロから250キロ。最大50キロの弾頭を積み、時速180キロから200キロのスピードで最大2500キロ飛ぶことができる。プロペラではなくロケットエンジンを積んだ改良型はスピードが時速500キロに達する。北朝鮮内のどこから発射しても、韓半島と日本全域はもちろん在日米軍基地にまで飛来・攻撃できる。シャヘドは騒音が大きくてスピードは遅く、探知と迎撃は難しくない。だが、安い単価で大量生産が可能だ。「群集攻撃」を通して敵国の地対空ミサイルを急速に枯渇させることができる、という意味だ。今年6月だけで、ロシアはウクライナ全域で少なくとも2736機のシャヘドを飛ばした。当時、ウクライナ空軍は「2万ドル(現在のレートで約290万円。以下同じ)程度のドローンを迎撃するために1発数百万ドル(100万ドル=約1億5000万円)する高価な地対空ミサイルを使わなければならない」と苦しい状況について打ち明けた。
新アメリカ安全保障センター(CNAS)は最近、報告書を通して「イランの武器技術がロシアを経由して北朝鮮に流れていく状況は、単純な武器取引ではない『戦略的拡散』の性格を持つ」と分析した。技術と実戦経験を結合した「致命的取引」が行われており、その背景には欧州・中東の地政学的危機を東アジアに拡散し、米国とその同盟を混乱に陥れようとする戦略がある―というのだ。CNASは、中国まで含めてこの4カ国を「動乱の枢軸(Axis of Upheaval)」と命名した。
軍事・安全保障の専門家らは強い懸念を示している。NATO(北大西洋条約機構)関係者は「ウクライナ戦争とイスラエル・イラン戦争で多くの民間人の命を奪った武器が、韓半島に登場しかねないという意味」だとし「従来の先端防空網が(ドローン防衛において)困難に直面しているのを見たら、深刻な問題」と述べた。米国ワシントン・ポスト紙も「北朝鮮が急速にドローン戦力を強化しかねない」とし「米国の軍事技術拡散防止政策は構造的に失敗した」と指摘した。
パリ=鄭喆煥(チョン・チョルファン)特派員