5500億ドル規模の対米投資について、日本政府は「半導体・医薬品・造船・人工知能(AI)など経済安全保障分野の企業が対米投資を行う際に政府系金融機関が出資・融資、あるいは政府保証を供与するもの」と説明した。米国は韓国にも4000億ドル規模(約59兆円)の投資ファンド設立を要求しているといわれている。
韓国政府は22日に開かれた対外経済閣僚会議で、コメ・牛肉、高精密地図データ持ち出しなどのデリケートな事案は対米交渉案に含めないことにしたという。だが日本の事例から見ると、これをある程度認めてやることなく交渉妥結に至るのは容易でない―というのが通商専門家らの衆論だ。韓国貿易協会のチャン・サンシク国際貿易通商研究院長は「日本と同レベルの相互・自動車関税で話をまとめようと思ったら、製造業協力パッケージに大規模投資ファンド設立などを含め、農畜産物などデリケートな項目でも譲歩は不可避だろう」と語った。
ただし日本が自動車関税の引き下げを貫徹したことは、韓国にとって朗報、との評価がある。米国は、鉄鋼・自動車関税は交渉対象ではないと言っていたが、妥協の余地があることが確認されたからだ。ただし、韓国の交渉が遅延したり、日本より高い自動車関税が維持されたりした場合、韓国車が現在よりも不利な状況に置かれることは避けられない。
また、韓国としては鉄鋼関税も関門だ。日本は、日本製鉄などがUSスチールを買収するなど、米国国内に生産基盤を持ったことで、鉄鋼・アルミニウム関税は核心交渉対象から外した。一方、韓国の鉄鋼業界にとって米国は最大の輸出先だ。現代製鉄などが米国投資をようやく決定したばかりなので、関税引き下げは切実だ。
成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長、崔銀京(チェ・ウンギョン)記者、チョ・ジェヒョン記者