■EU、中国の高官級対話提案も拒否
EUは4月末に中国製の高所作業設備に66.7%の相殺関税を課すことを決め、5月には中国製ハードウッド合板に最高62.4%の臨時反ダンピング関税を課しました。今月初めにはEU域内で行われる医療機器の公共入札から中国製品を排除しました。中国政府が自国の病院に中国企業の製品を優先的に購入するよう強制していることへの対抗措置だといいます。
英フィナンシャルタイムズが17日に報じたところによれば、中国は7月24、25の両日、北京で国交正常化50周年を記念する中国・EU首脳会談を行いますが、EUは事前に議題を調整するための高官級経済貿易対話を拒否したとされます。同紙は「中国は高官級対話を望んでいるが、EUはあらゆる分野で対話に進展がないことから、それを拒否した」と伝えました。
トランプ大統領の関税政策に批判的なニューヨークタイムズ(NYT)も17日、「中国のダンピング輸出が世界経済に再度チャイナショックを呼び起こす」と懸念しました。同紙は「中国経済の3分の1を占める不動産市場が崩壊し、景気低迷に陥ると、中国の政策当局は製造業者と輸出業者に資金をつぎ込み、それを挽回しようとしている。その過程で過剰生産された製品が世界市場にあふれている」と分析しました。
■NYT「中国発輸出ショック、全世界に拡散」
実際に年初来5月までの中国の自動車需要は昨年同期比で約11%増えるにとどまりましたが、電気自動車(EV)の生産台数は45%も増加しました。過剰生産で市場競争が激化すると、比亜迪(BYD)は5月、EV価格を最大34%引き下げ、価格戦争に突入し、世界市場に輸出しています。
中国は「中国製造2025」プロジェクトを通じ、半導体、EV、電池の輸出を大きく伸ばしましたが、過去に主力輸出品目だった雑貨類の輸出も増加傾向にあります。不動産バブルの崩壊で経済状況が厳しくなると、20年前に主力だった安価な雑貨類も世界に大量輸出しているのです。シンガポールの経済学者プリヤンカ・キショア氏はNYTの取材に対し、「中国は経済が成熟し発展すれば伝統的な低付加価値産業から脱却するという経済理論とは異なる道を歩んでいる。他国にとって大きな試練であり、圧迫要因だ」と述べました。
実際に中国製の低価格製品が押し寄せているインドネシアでは、紡織工場が大量に廃業し、タイの自動車部品産業は没落しています。NYTは「米国は中国に関税爆弾など保護貿易措置を取ることができるが、無力な国々はそれさえも容易ではない」と評しました。
崔有植(チェ・ユシク)記者