多くの韓国系住民が、今回のデモについて「第2のロサンゼルス暴動」に発展するのではないかと心配している。さらに、大統領の長男であるドナルド・トランプ・ジュニア氏がSNS(交流サイト)に、韓国系と推定される男性がビルの屋上で銃を構えている写真を投稿し「ルーフトップ・コリアン(屋上の韓国人たち)を再び偉大に」と書き込んだことが分かり、不安はいっそう高まっている。商売人のデービッド・リーさんは「ロサンゼルス暴動当時、私は18歳だったが、そのときの状況がどれほど残酷だったか覚えている」「韓国系住民たちが再び理不尽な八つ当たりの対象になってはならない」と話した。
ただし、33年前の暴動と現在は異なるとして、落ち着いた対応を強調する声も少なくない。韓人料食業会のマーク・キム会長は「私が経験したロサンゼルス暴動と今起きているデモは明らかに種類が異なる」と話した。しかしトランプ大統領が、政治的に見て「敵陣」に等しいロサンゼルスを標的にしているだけに、対立は容易には解消しないだろうとの懸念も示されている。
ロサンゼルスのあるカリフォルニア地域は、伝統的に民主党の票田であり、多様性・包容性などいわゆる政治的な正しさ(ポリティカル・コレクトネス)を重要な価値と考えている。そのため、ロサンゼルスは不法移民の保護、マイノリティーの包容、高い所得税、強硬な環境保護政策などさまざまな懸案を巡ってトランプ大統領と衝突してきた。ロサンゼルス韓人会はこの日午前、現地の韓国総領事館や主要な韓人協会の会長らが出席する中、ロサンゼルスのカレン・バス市長とビデオ会議を開催し、韓国系住民の密集地域に対する保護や経済損失の復旧案などについて話し合った。ロサンゼルス韓人会のスティーブ・カン理事長は「1992年のロス暴動のようなことにならないよう、市と協力して暴力事態などを積極的に予防したい」と話した。
ロサンゼルス=オ・ロラ特派員