ホーム > 政治 > 尹錫悦政権 print list prev

2年5カ月で公邸を退去した尹前大統領「国と国民のために新たな道を模索したい」

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は11日、ソウル市漢南洞の大統領官邸を去り、江南区瑞草洞の自宅に戻った。尹前大統領は「国と国民のために新たな道を模索する」とのコメントを残した。尹前大統領が「新たな道」に言及したことを受け、「『私邸政治』などの方法で(旧与党)国民の力の大統領選挙候補者決定などに影響力を行使する意欲を示した」との見方が政界内で語られている。

【写真】支持者たちと握手する尹錫悦・前大統領

 韓国大統領府関係者によると、尹前大統領は同日午後に漢南洞の大統領官邸で鄭鎮碩(チョン・ジンソク)大統領秘書室長、成太胤(ソン・テユン)政策室長、申源湜(シン・ウォンシク)国家安保室長ら大統領府首席秘書官らスタッフと20分以上にわたり別れの挨拶を交わした。この席で尹前大統領は「任期を全うできなかったのは残念だ」として「皆さんご苦労された。本当に申し訳ないし、これまでのことに感謝したい」と述べた。尹前大統領を見送るため休暇を取って官邸にやって来た200人以上の大統領府職員には「国の発展のため、自由民主主義市場経済と社会の発展のために頑張ってくれた」「感情を鎮め、自由と繁栄のため一層力を尽くしてほしい」と言葉をかけた。また昨年自らの支持を表明した一部の若い世代を念頭に「非常措置後、未来の世代が今の厳しい現状を悟り、自由と主権価値の大切さを認識してくれたのは幸いだ」と呼び掛けた。

 尹前大統領は弁護団を通じて国民にメッセージを出し「これまで2年半にわたりわが国の国益と安全保障を守るため努力した瞬間瞬間が走馬灯のように過ぎ去っている」「前の冬には多くの国民や若い人たちが自由と主権を守るという一心で昼夜に関係なく漢南洞の官邸前を守ってくれた。寒さまで溶かしたあの熱い情熱を今も胸に深く刻んでいる」「これから私は大韓民国国民の一人に戻り、国と国民のために新たな道を模索したい。自由と繁栄の大韓民国のため微力ではあるが努力を惜しまない」などの考えを伝えた。

 尹前大統領は金建希(キム・ゴンヒ)夫人と共に警護車両に乗り込んで官邸を後にする際、正門前で一度車を降り、支持者らに手を振ってあいさつした。官邸の正門前道路の両側には2000人以上(警察の非公式推計)の支持者が集まっていた。支持者らは太極旗(韓国の国旗)を手に「尹アゲイン」「弾劾無効」などと叫んだ。尹前大統領は大学野球部のジャンパーを着た若い支持者らとハグし、握手して背中を叩き激励した。ある支持者は「大統領、すみませんでした」と泣きながら叫んだ。尹前大統領は支持者が手渡した赤い帽子をかぶった。帽子には米国のトランプ大統領の選挙スローガンである「米国を再び偉大に(MAGA)」から取った「韓国を再び偉大に(MKGA)」と表記されていた。尹前大統領は午後5時13分に再び車に乗り込んだが、その後も窓を開け支持者らに拳を示しながら挨拶した。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲ソウル市竜山区の大統領官邸を後にする際、警護車両の窓を開け支持者らに手を振りながら挨拶する尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領/キム・ジホ記者
  • 2年5カ月で公邸を退去した尹前大統領「国と国民のために新たな道を模索したい」

right

あわせて読みたい