大統領が指名する憲法裁判官の候補として名前が上がっていた李完揆(イ・ワンギュ)法制処長と咸尚勲(ハム・サンフン)ソウル高裁部長判事を韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行が指名したが、これに対する憲法訴願と効力停止仮処分事件の主審を馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官が担当することが10日までに分かった。馬恩赫裁判官は4月9日に憲法裁判官に就任したばかりだ。主審の裁判官は他の裁判官らが意見交換する評議の主催や、決定文の草案作成などを担当する。
憲法裁判所は同日、無作為の電子配当方式を通じ、韓悳洙権限代行による憲法裁判官候補者指名が違憲かどうかを争う事件を馬恩赫裁判官に配当したという。憲法訴願などの事件が配当された場合、憲法裁判所は30日以内に事件の適法性について判断し、却下するかどうかを決めねばならない。事件が却下されなければ、裁判官9人が評議を経て認容あるいは棄却の決定を下すことになる。
ただし効力停止仮処分事件は本案の判断を下す前に一定期間の効力を停止する処分のため、結論はさらに早く下される。また今月18日に文炯培(ムン・ヒョンベ)憲法裁判所長権限代行と李美善(イ・ミソン)裁判官が退任するため、その前に仮処分の決定が出る可能性が高いと法律に詳しい専門家は見ている。裁判官5人以上が仮処分申請を認容した場合、韓悳洙権限代行の後任裁判官指名は効力が停止する。
韓悳洙権限代行は8日に馬恩赫裁判官を任命したが、その際に文炯培裁判官らの後任として李完揆・法制処長と咸尚勲・ソウル高裁部長判事を指名した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が罷免され大統領が欠位状態となったため、大統領が指名する憲法裁判官2人について韓悳洙権限代行が積極的に権限行使に乗り出したのだ。
これに対して法務法人トダムのキム・ジョンファン弁護士や法務法人トクスなどは9日、韓悳洙権限代行による憲法裁判官候補者指名に対する憲法訴願と効力停止仮処分申請を行った。
キム・ヒレ記者