禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は8日、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行国務総理が李完揆(イ・ワンギュ)法制処長と咸尚勲(ハム・サンフン)ソウル高裁部長判事を憲法裁判官候補者に指名したことに関連して、韓代行が両候補についての人事聴聞要請案を提出してもこれを受理するつもりはない、と主張した。
人事聴聞会法によると、憲法裁判官候補者は国会の人事聴聞会を経なければならない。国会は人事聴聞要請案が提出された日から20日以内に人事聴聞会を終えなければならない。ところが禹議長は、韓国政府が送付する憲法裁判官候補者人事聴聞要請案を国会が受け取らないようにしたい、というのだ。
ただし同法によると、韓代行が人事聴聞要請案を送ってから20日以内に国会が人事聴聞会を開かなかったり、人事聴聞経過報告書を採択しなかったりした場合、韓代行は10日以内の期間を定めて国会に「人事聴聞経過報告書を送ってほしい」と要請できる。国会がこれにも従わない場合は、韓代行が李完揆・咸尚勲候補を憲法裁判官として任命できる。
禹議長は同日午後に公開した声明文で「憲法裁判官の指名を通した憲法機関の構成は大統領の固有権限」だとし「大統領権限代行が大統領に付与された固有権限を行使しようとするのは容認できない」とコメントした。
さらに「韓代行はこれまで、国会が選出した憲法裁判官と大法院長(最高裁長官に相当)が任命請求した大法官(最高裁裁判官に相当)について憲法裁判所の決定も無視して任命を拒否してきた。国会が議決した常設特検の推薦依頼も行わなかった」「国会と憲法裁を無視して憲法上の義務、法律上の責任も履行しない権限代行が、付与してもいない権限を行使しようというのか」と批判した。その上で、韓代行に「謝罪からすべき」と要求した。
また禹議長は「民主的正当性がない臨時の地位である権限代行の権限行使は最小限にとどめるべき」だとし、韓代行に向けて「憲法裁判官の任命を拒否し、権限代行を自ら主張してきたではないか。大統領担当分の憲法裁判官指名は矛盾」と主張した。
その上で、韓代行に対し「(李完揆・咸尚勲候補者の)指名撤回を要求する」とした。また「国会は人事聴聞会要請を受理するつもりはない」「国会が取り得るあらゆる措置を尽くす」と述べた。
キム・ギョンピル記者