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「低下した視力も回復」 韓国の研究陣、網膜再生技術を世界初開発

KAIST金鎮佑教授の研究チーム

 損なわれた視力も回復させられる網膜再生技術を、韓国の研究陣が開発した。すでに損なわれた視力を回復させられる治療薬はこれまでのところ存在していない。

【写真】網膜再生技術を開発した韓国の研究陣

 韓国科学技術院(KAIST)は3月30日、金鎮佑(キム・ジンウ)教授の研究チームが網膜神経の再生を通して退行性網膜疾患の治療法を開発したと発表した。今回の研究成果は先月26日付で国際学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」のオンライン版に掲載された。

 世界中で網膜疾患を患っている人は3億人以上に上る。研究チームは今回の技術を活用した治療薬を開発する予定で、2028年には臨床試験を開始することを目標にしている。

 今回の研究は、魚類は網膜が損傷しても活発に再生されるという特徴に着目して始まった。魚類の網膜には「ミュラーグリア」という細胞があり、この細胞は脱分化して新たな神経細胞を生成する。一方で、人間などの哺乳類はこの機能が失われているため、網膜が一度損傷すると回復が難しい。

 研究チームは、哺乳類でミュラーグリア細胞の脱分化を抑制する役割を持つ「プロックスワン(PROX1)」というたんぱく質を発見した。そして、網膜で生成されるプロックスワンが細胞に蓄積されると、網膜が再生しなくなることを突き止めた。さらに研究チームは、このプロックスワンに結合する抗体を発見し、これをマウスに投与したところ、網膜の神経細胞が再生し視力が回復することも明らかにした。網膜が損傷したマウスの眼球にこの抗体物質を注射したところ、2週間後に視力が回復していた。さらに、視力の回復効果は6カ月以上持続した。

 金教授は「今年中に人間により近いイヌに対しても実験を行う予定で、それから人間に適用できる形にしていきたい」と述べた。人間の場合、視力回復に要する時間はマウスより長くなるとみられる。

ソン・ヘジン記者

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