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ようやく文前大統領に出頭求めた検察、一言も釈明しない文前大統領【3月31日付社説】 元娘婿のタイ・イースター・ジェット特別採用疑惑

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の娘の夫だった人物のタイ・イースター・ジェット航空特別採用疑惑を捜査中の検察がこのほど、文前大統領に贈収賄疑惑の被疑者として出頭するよう通知したという。元娘婿は航空業界に携わった経歴が全くないのにもかかわらず、2018年7月、共に民主党所属だった李相稷(イ・サンジク)元議員が実質的に所有していたタイの航空会社「タイ・イースター・ジェット」の専務として採用された。文政権時代に李相稷氏が中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命されて4カ月後のことだった。元娘婿は約2年間で給与や家賃などとして2億2300万ウォン(現在のレートで約2300万円)を受け取ったが、検察は、この金が中小ベンチャー企業振興公団理事長のポストの見返りに文前大統領が受け取った賄賂だと判断したという。文前大統領側と共に民主党は「政治報復」「無理のある捜査でターゲットにされた」と反発している。

【グラフィック】文前大統領の元娘婿をめぐるタイ・イースター・ジェット特別採用疑惑

 この疑惑は2019年に当時野党だった国民の力(現:与党)が初めて提起したが、2021年12月に市民団体が文前大統領を告発した後に検察が捜査に着手した。つまり、文政権時代に捜査が始まったが、今になって出頭通知が届いたということだ。文政権時の検察は事実上、捜査をまともに行わず、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権になっても捜査が遅々として進まなかったためだ。その間に捜査を進めた全州地検長だけで5人も変わった。このため、さまざまな説が流れる余地がある。しかし、特別採用過程で納得しがたい部分があまりにも多いことも事実だ。

 元娘婿がタイ・イースター・ジェットに就職すると、中小ベンチャー企業振興公団の職員たちは元娘婿と文大統領の娘の家を訪れて移住を手伝った。李相稷氏が大統領の娘の家族を世話したと見なさざるを得ない状況だ。文前大統領は李相稷氏を中小ベンチャー企業振興公団理事長のポストに就かせ、さまざまな疑惑があったのにもかかわらず、与党公認で国会議員に当選させた。大統領の娘の海外移住と無関係だと信じる人物がいるだろうか。

 文前大統領の娘は2020年に帰国し、青瓦台(大統領府)で暮らした。現職大統領の娘の家族が突然海外に移住し、こっそり帰国するという荒唐無稽(むけい)な行為に対し、文前大統領は「プライベートな話」だとして国民に一度も説明したことがない。検察の出頭要求に応じるかどうかも不透明だ。文前大統領は、執権後2年以上にわたって検察・警察を総動員し、過去の政権を徹底的に捜査した。そして、元大統領2人をはじめ、200人以上が拘束された。そのようなことをしたのなら、せめて自身の家族の不正疑惑については釈明しなければならない。

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