理解できない国・韓国【コラム】

非常識が重なる社会
外信記者も「理解できない」
政治家のうそに無罪を宣告した裁判所
韓国の記者も「理解できない」

 18年ぶりに見直された国民年金制度はMZ世代(1980-2010年ごろ生まれ)がより多く支払い、586世代(1960年代生まれで80年代の民主化闘争に関わった現在の50代)がより多く受け取る形に変わった。人口ピラミッドと逆の形になっていることもあり、若者たちは激しく反発しているが、政界はこれを「改革」と主張している。政府が昨年、医学部の定員増を最初に発表した時になぜ「2000人」としたか理解できないが、それを理由とする今年入学した医学部生による授業ボイコットには共感できない。所属事務所と裁判で争ったNewJeans(ニュージーンズ、現NJZ)が国会国政監査の証人となったこと、MBC放送気象担当だった故オ・ヨアンナさんに関する国会聴聞会が開かれなかったこと、オマーンとヨルダンに勝てなかったサッカー韓国代表の無気力と大韓サッカー協会の鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長の4期連続会長就任、あまりにずさんだったセマングムでのジャンボリーで責任逃れをした全北自治道がソウルを抑え2036年のオリンピック開催候補地に選ばれたこと、戦闘機が民家に爆弾を落とした事故など…。これらについてはただ「理解できません」としか言いようがない。

 共に民主党の李在明代表は公職選挙法違反の控訴審で無罪が宣告された。判決内容を何度もじっくり読んでみたが「政治家のうそは単なる意見表明に過ぎない」とする裁判長の解釈だけは全くもって理解の範囲外だ。この判事に担当してもらえず偽証罪で処罰を受けた政治家たちをなぐさめてやりたい。「ガリバー旅行記」の作家ジョナサン・スウィフトが「法とはクモの糸のようなもので、小さなハエはひっかかるが、スズメバチは破って通り過ぎる」と語ったように、170議席を持つ巨大野党のトップである李在明代表は控訴審を無罪で通過し、次の大統領選挙に向けて突き進んでいる。宗教裁判にかけられやむなく天動説を認めたものの 「それでも地球は回っている」と語ったガリレオのように、一介の新聞記者に過ぎない私はただ一人で「理解できない」と口にするしかない。

ヤン・ジヘ記者

【李在明代表逆転無罪】ソウル高裁が証拠不採用と判断した「捏造」写真

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲週末の3月22日、ソウル市中心部光化門とその周辺で開かれた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領弾劾賛成集会と反対集会/パク・ソンウォン記者

right

あわせて読みたい