【坡州聯合ニュース】韓国の拉致被害者家族や脱北者団体が南北軍事境界線付近で北朝鮮の体制を非難するビラを北朝鮮に向けて飛ばしている問題を巡り、境界線に近い京畿道・坡州に住む住民や野党「新しい未来民主党」の代表らがビラ散布の中止を求めた仮処分の抗告審で、ソウル高裁が抗告を棄却したことが29日、分かった。
住民ら9人は昨年11月、北朝鮮へのビラ散布が南北境界線付近の住民の生命権や幸福追求権などを侵害し、南北の緊張を高めるとして、中止を求める仮処分を申し立てた。
議政府地裁高陽支部は今年2月、「被申立人の行為が北の武力挑発を直接的に引き起こすという具体的な根拠は提示できなかった」として、「北の武力挑発の危険が全国に及ぶという理由だけで南北関係の緊張を引き起こす可能性のある表現行為を禁止すれば、憲法上保障された表現の自由が過度に萎縮する恐れがある」とし、申し立てを棄却した。
韓国の拉致被害者家族でつくる「拉北者家族会」は4月に坡州で拉致問題の解決を求めるビラを北朝鮮に向けて飛ばす計画を明らかにしている。