その後、同日午前11時45分ごろからソウル中心部のトラクターデモに合流した20-30代の男女約10人が、チョークを用いてトラクター周辺のアスファルト道路に白や青、黄色、赤などでさまざまなメッセージを書き始めた。「疲れて死にそうだ 早く罷免しろ」「美しい狂気」「農民も市民だ 権利と尊厳を」などのメッセージが書かれていた。司会者は午後0時ごろ、デモ参加者に「チョークで路上にメッセージを書いてくれ」と呼び掛けていた。
チョークによる落書きは、紫霞門トンネル方面の3車線に40メートルほどにわたって書かれた。落書きされた道路の面積はおよそ400平方メートルに及ぶ。ただしチョークによる落書きであるため、足でこするとすぐに消えた。
現行法には道路への落書き行為を処罰できる条項がいくつかある。しかし、チョークの落書きを処罰するのは現実的に難しいとの指摘が出ている。
法務法人YKのキム・ボムハン弁護士は「チョークによる落書きに対しては器物損壊罪や公用物損傷罪を適用するのは難しい」とした上で「損壊罪は効用を害したかどうかが重要であるため」と説明した。さらに「軽犯罪処罰法に処罰条項はあるが、きちんと捜査が行われるかは疑問だ」と述べた。
景福宮駅に向かう紫霞門路が通行止めになったため、同日朝、ソウル北西部から都心に向かう車両は孝子路方面へと迂回した。近くに住むチョンさん(60)は「付岩洞方面に行く車は通常、紫霞門路を利用する。どの車も迂回しなければならないため、渋滞がひどくなるだろう」と話した。デモの現場を通り掛かったキムさん(29)は「道路を全部占拠するなんてとんでもない」「バスで地下鉄駅まで行けなくて不便だ」と話した。
キム・グァンレ記者
【写真】色とりどりのチョークで一面に落書きされた景福宮近くの道路