在韓米軍は27日、慶尚南道山清郡の山火事現場に米軍ヘリコプター「ブラックホーク」と「チヌーク」の投入を検討したが、濃い霧や煙のため出動できなかった。前日も慶尚北道義城郡の山火事現場で消火作業中のヘリが突然墜落した。目撃者は「煙の中での消火作業中に電線に引っかかったように見えた」と説明した。
韓国各地の山火事現場で合計120機以上のヘリが消火作業に当たっているが、実際の現場では100%稼働できていないことが分かった。
ヘリは秒速15メートル以上の強風が吹いた場合は安全対策のため出動しない。霧が濃い日も同様で、また日没後も撤収しなければならず作業できない。
一度に運べる水の量も限界がある。現在山林庁が所有する50機のヘリのうち、散水装置の容量が5000リットルを上回るのはわずか7機、容量1000-5000リットルのヘリが32機で最も多く、11機は容量が1000リットル以下だ。山林庁は容量8000リットルの最も大きい散水装置を持つシコルスキーS64を7機所有しているが、うち2機は整備中で現場に配備されているのは5機だ。山林庁の主力ヘリ・ロシア製のカモフも所有する29機のうち16機しか消火作業を行っていない。8機はロシア・ウクライナ戦争の影響で部品が確保できず待機中だ。
老朽化したヘリも多い。合計50機のうち導入から20年が過ぎたものは33機(66%)に上る。うち12機は30年以上と非常に老朽化している。それでも山林庁のヘリは地方自治体や韓国軍のヘリよりも散水装置の容量が大きい比較的新しい機種だという。
国立山林科学院山火事研究科のクォン・チュングン研究員は「山火事の消火作業の鍵は短時間に大量の水をまいて火を完全に消すことだ。それには大型ヘリの数をもっと増やさねばならない」とコメントした。
蔚山=キム・ジュヨン記者、山清=キム・ジュンホ記者