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ボランティアで避難誘導している間に両親が炎に…うなだれる60歳の息子 韓国大規模山火事

被災者たちの無念

 盈徳郡では、前日午後5時54分から隣の青松郡で発生した山火事が広がり、盈徳邑、知品面、丑山面、寧海面など約2万ヘクタール(約6050万坪)が焼けた。これは盈徳郡の全面積の27%に当たる。

 英陽郡では、石保面葡山里の三宜渓谷でクォン里長(64)が、妻や義弟の妻と避難中に死亡したのが発見された。クォン里長ら3人は避難所方面ではなく、炎が襲った三宜里に向かったことが分かった。英陽郡の関係者は「クォン里長は、避難できていない住民たちがいないか確認しようとしたのではないかと思う」と話す。石保面花梅里でも火災となった住宅で60代女性の遺体が発見された。また、26日午前にも女性の遺体2体がさらに発見され、計6人が死亡したことが分かった。英陽郡では死者6人全員が焼死体で発見されたが、全員が山火事の犠牲者であることが確認された。

 炎が広がった安東市は24の邑・面・洞のうち17の邑・面で住民4052人が避難した。同市で会った一直面光淵里の住民リュ・ギョンスクさん(74)は「倉庫として使っていたコンテナが全部焼けた。服を何着か持ってきただけだ」「家の電気や水道が断たれ、生活できない状況だ」と語った。

 安東市では小学校の講堂や多目的体育館などを開放し、避難所を15-20カ所設けている。安東体育館にはテント150張りが設置され、約350人が避難していた。26日午前には避難所でボランティアたちが作ったわかめスープやキムチを被災者たちが受け取り、食べていた。安東市吉安面にある民俗文化財「墨渓書院」近くに、母親チョン・ブンホンさん(87)と一緒に50年以上暮らしていたというキムさん(53)は「山火事で家が全焼してしまった。補償してもらえるかどうか分からない」「車が渋滞し、ここまで(普段なら)家から5分の距離が2時間かかった。大混乱だった」と話した。

盈徳=カン・ジウン記者、英陽=ク・ドンワン記者、安東=キム・ナヨン記者、義城=イ・スンギュ記者

【写真】焼けた家をぼう然と見つめる住民の様子

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  • ▲26日、慶尚北道盈徳郡盈徳邑石里で、住宅が山火事により全焼し、廃虚のようになった様子。写真=NEWSIS
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