慶尚北道義城郡で山火事が発生して五日目の26日、その範囲は安東市・青松郡・英陽郡・盈徳郡など同道北部の近隣地域に広がり続けている。
火の粉が風に乗って急速に広がる「飛び火」現象により延焼範囲が大幅に拡大していることから、安東市と青松郡などでは住民全員に避難命令を下した。近隣の市・郡も山火事が広がっている邑・面の住民たちを避難させた。だが、避難命令を下したにもかかわらず、山林当局は義城郡の山火事で同日までに18人が死亡したと発表した。
同日午後1時ごろには義城郡の山火事で消火活動に当たっていた消防ヘリコプターが墜落し、操縦士1人が死亡したため、韓国全国で消防ヘリによる山火事の消火活動が一時中止された。
インターネット・コミュニティー・サイト上にも、山火事と死闘を繰り広げる消防隊員たちや火災現場の悲惨さが捉えられた写真・動画が拡散されている。「山火事現場消防隊員ボディカム」という約15秒間の動画には「慶尚北道」と書かれた防火服を着た消防隊員8人が写っている。
消火ホースなどの装備を使っている最中に、黒煙や炎で真っ黒になった残骸(ざんがい)などが当たると、消防隊員らは体を丸めてこれに耐えている。この動画を見たあるネットユーザーは「映画に出てくる地獄のような光景だ」と投稿した。
別の動画には、運転中の車の中から撮影した火災現場の様子が写っている。この車の左右はもちろん、前方にあるトンネルの上まで激しい炎で覆われている。トンネルに入る前、右側に道路のガードレールを越えて炎が上がっているのが分かる。画面は炎と煙で覆われ、一寸先も見えないほどだ。
もう1本の動画では、安東市のあるゴルフ場駐車場の後方に山火事が迫っている様子が捉えられている。この動画を投稿したネットユーザーはこのゴルフ場のキャディーで、「ゴルフ場側がこの日、客の予約をキャンセルしてくれず、一部の客がラウンドを強行したため、大変な目に遭うところだった」と書いた。
航空写真もネット上に投稿された。写真を見ると、安東市と推定される市街地で、目前まで炎が迫っている様子が写っている。炎はまるで市街地の外側を取り囲んでいるかのように広がっている。投稿者は「安東包囲戦だ」と書いた。ただし、この動画と写真が撮影された日時や場所などは記載されていない。
ユ・ビョンフン記者