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韓国与野党 黄海に構造物設置した中国を非難 

【ソウル聯合ニュース】韓国の与党「国民の力」は25日、南部・済州島南の岩礁、離於島付近の韓中暫定措置水域(PMZ)に中国が韓国に無断で構造物を設置したことについて、「黄海を中国化するための事実上の占拠行為」と批判し、政府に断固たる対応を求めた。

 この日国会で開かれた中国の黄海に関するプロジェクトへの対応を議論する討論会で、同党臨時執行部トップの権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長が述べた。権氏は、同海域は韓中漁業協定により構造物の設置が厳格に禁止されているにもかかわらず、中国が漁業活動用という名分を前面に出して事実上の占拠に乗り出したとし、南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近に人工島を作り、そこを起点に領有権を主張したケースと同じだと指摘した。

 また同構造物は単純な民間用ではなく、ボーリングや監視活動が可能で、黄海を中国のものにするための前哨基地にするというプロジェクトの一環として設置された主張した。

 そのうえで、「中国の今回の試みは単なる外交問題ではなく、海洋安全保障に対する正面からの挑戦」とし「国民の力はこの事案を重大な安保懸案と規定し、中国の構造物即時撤去と強力な外交措置を政府に要求する」と表明した。

 最大野党「共に民主党」の金炳周(キム・ビョンジュ)最高委員も同日、SNS(交流サイト)に、中国の構造物無断設置と関連し「国会レベルでも至急真相を把握し、必要があれば現場点検を推進する」とし「共に民主党は今回の事案を座視しない」と投稿した。

 金氏は同海域に無断で鉄骨の構造物を設置することは今後深刻な安保問題に拡大しかねないとし「後日、自国の領海のようにしようとする意図、中国が主張する領海線を貫徹しようとする意図と読み取れるため」と主張した。

 同構造物を巡り、韓国政府は先月26日、調査船を同海域に派遣し点検を試みたが、調査船が構造物まで約1キロの距離まで近づくと、中国の海警当局と民間人がゴムボートなどで調査船に接近し、調査を阻んだ。これを受け韓国海洋警察も艦艇を急派。中国側とのにらみ合いが約2時間続いた。

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