ホーム > 社説・コラム > 社説 print list prev

共に民主党はなぜ中国が韓中暫定水域に無断設置した構造物に沈黙するのか【3月24日付社説】

共に民主党はなぜ中国が韓中暫定水域に無断設置した構造物に沈黙するのか【3月24日付社説】

 中国が西海(黄海)の韓中暫定措置水域に大型の鉄骨構造物を無断で設置し、これを調査しようとした韓国の海洋調査船を威嚇していたことが分かって五日たった。韓国の海洋主権を脅かす危険な挑発行為だが、韓国国会第1党の共に民主党は何の反応もしていない。先月26日に発生し、両国の海洋警察の対峙(たいじ)につながったこの事件は、韓国外交部(省に相当)が今月18日に駐韓中国大使館当局者を呼んで抗議して公になった。与党・国民の力は翌日論評を出して断固たる対応を促したが、共に民主党は大したことではないかのように沈黙を守っている。

【グラフィック】中国が西海に設置した2基の構造物

 海洋の境界が画定されていない西海に中国が大型構造物を設置したことは、非常に深刻に受け止めなければならない。紛争水域に人工構造物を設置した後、武力で相手国の接近を阻み、自国の領海であるかのように振る舞うのが中国の手法だ。フィリピン・ベトナムとの間に領有権紛争が存在する南シナ海には軍事要塞(ようさい)のような人工島を3カ所作り、日本との間に紛争がある東シナ海には天然ガスのボーリング構造物を約10カ所設置したという。そして今や韓中が共同管理する西海暫定措置水域でも同様のことを始めたのだ。

 韓国の主権と領土にとって直接の脅威となる事案が発生したのなら、すべての政党が声を一つにして抗議し、対策を講じるのが正常だろう。ところが、その気になればどんな法律でも通過させることができる「絶対多数党」の共に民主党が糾弾声明一つ出していない。同党の李在明(イ・ジェミョン)代表は昨年3月、「台湾海峡がどうなろうと、我々には何の関係もない」「ただ(中国にも)『謝々(シエシエ)』(中国語でありがとうという意味)、台湾にも『謝々』と言っておけばいい」と発言した。いくら韓中関係が重要だとしても、韓国の海である西海問題をこのようなやり方でうやむやにすることはできない。

 また、米エネルギー省(DOE)がこのほど、韓国を「センシティブ国」に指定していたことが明らかになると、共に民主党は真相が解明される前に「独自核武装論」をまず非難した。北朝鮮の核の脅威から韓国を守るための方策を話し合うことにアレルギー反応を示していた政党が、中国の西海の脅威には何も言わないことについて、どう理解すればいいのか分からない。だが、共に民主党は「米国に対してセンシティブ国指定の撤回を促すための国会決議案も検討する」と言った。同じ基準を当てはめるなら、中国に対して構造物の撤去を促す決議案も進めるべきではないだろうか。

 今月26日は韓国海軍哨戒艦「天安」沈没から15年、同じく28日は第10回「西海守護の日」だ。その前に、共に民主党が中国の一方的な構造物設置に抗議する立場を明確にし、西海守護の意志を示すことを願っている。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 共に民主党はなぜ中国が韓中暫定水域に無断設置した構造物に沈黙するのか【3月24日付社説】

right

あわせて読みたい