【ソウル聯合ニュース】米エネルギー省が韓国を安全保障や核不拡散などで特別に注意が必要な「センシティブ国」に指定したことについて、韓国政府は技術協力への影響を避けるため、指定の解除に向けて総力を傾ける方針だ。
センシティブ国指定による規制が少ないとしても米国との研究・協力に何らかの支障を与えることは避けられず、状況次第では米政府が韓国に圧力をかけるカードとして使う可能性がある。
複数の韓国政府の消息筋によると、米国は韓国政府に対し、センシティブ国指定が両国の共同研究などの技術協力には大きな影響がないと説明している。米国のジョセフ・ユン駐韓国大使代理は18日の座談会で、センシティブ国というのはエネルギー省傘下の研究所に限定されるものだとして、「大したことではない」との認識を示した。エネルギー省も身元確認など事前の内部検討を行うが、共同研究など科学技術協力には大きな影響はないと明らかにした。
エネルギー省傘下の主な研究機関の大多数は機密機関で、センシティブ国指定と関係なく45日前に訪問申請をし、身元を確認する手続きを適用している。
韓国の科学技術界でも米国との協力事業に大きな影響はないとの見方が大勢となっているが、多少萎縮する懸念があるとの見通しを示している。身元確認の期間が長引くなど規制の水準が強まる可能性もある。とりわけ、トランプ米大統領は同盟も取り引きの観点で判断する傾向が強く、センシティブ国指定を一つの交渉カードとして使うかもしれないとの懸念も出ている。
ただ、韓国がセンシティブ国に指定された背景が明確ではなく、韓国政府は米国の説得に苦心している。ユン氏はエネルギー省傘下の研究所を訪れた韓国人が「敏感な情報」を流出させたためだと説明したが、韓国政府は具体的にどのような問題があったか把握していない。情報流出の問題があったとしても個人か機関を規制対象にせず、同盟である韓国をセンシティブ国に指定したのは過剰な措置との見解もある。
韓国で核武装を求める世論があることや尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾訴追による混乱など、政治的な問題が影響しているとの主張がなくならないのもセンシティブ国指定の背景が不明確であるためだ。
韓国政府がエネルギー省から確認した情報によると、3段階あるセンシティブ国のレベルのうち韓国が指定されたレベル3は経済安全保障分野で、レベル1・2の核不拡散・テロとは関係ないとされる。