ホーム > 国際 > 韓米関係 print list prev

外交上の試練…米国が韓国を「センシティブ国」に指定、韓米関係に暗雲

米国が韓国を「センシティブ国」に指定…軍事情報、原子力、AI分野での協力に制限

3月末に日本を訪問するヘグセス米国防長官は韓国訪問をキャンセル

「韓国パッシング」との懸念も

 米国政府が今年1月、国内情勢が不安定で国の安全保障に脅威をもたらす懸念のある「センシティブ国」に韓国を指定していたことが15日(現地時間)までに分かった。韓国が米国のセンシティブ国に指定されるのは今回が初めて。センシティブ国に指定されれば米国との軍事関連の機密情報共有や原子力、人工知能(AI)などハイテク技術分野での協力が制限を受ける恐れがある。

【グラフィック】「センシティブ国」指定後の米国の対応

 米エネルギー省は同日、韓国メディアの取材に「直前のバイデン政権で今年1月初めに韓国がセンシティブ国およびその他の指定国家リスト(SCL)の最下位カテゴリーに追加された」と明らかにした。米エネルギー省は「これら(SCLの)国々は米国との技術協力が禁じられるわけではないが、相互訪問や協力の際には内部で事前に検討が行われるだろう」と説明した。

 昨年まで米エネルギー省が指定したセンシティブ国は中国、ロシア、北朝鮮、イラン、シリア、イスラエル、台湾など25カ国だったが、今年初めに韓国が26番目の国として指定された。米エネルギー省は通常は国の経済や安全保障への脅威、核不拡散に関する懸念、地域の不安定、テロリズムなどを理由にSCLを指定するが、これに韓国を含めた理由は明らかにしなかった。米国による韓国のSCL指定は来月15日に発効する。

 韓国外交部(省に相当、以下同じ)は16日「(韓国)政府は今回の事案を厳重に受け取め、米国政府関係者らと緊密に協議を行っている」「韓米間のエネルギー分野や科学技術分野での協力にマイナスの影響が出ないよう、積極的に交渉を続けていきたい」と表明した。今月初めに韓国メディアが「米エネルギー省の研究機関で韓国がセンシティブ国に指定されたとのうわさがある」と報じるまで、韓国外交部は関連する事実関係を公式に確認できていなかったようだ。

 また今月末に日本や韓国などの訪問を検討していたピート・ヘグセス米国防長官の来韓もキャンセルとなった。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に続き韓悳洙(ハン・ドクス)首相まで弾劾訴追され、さらに韓国国防部長官も空席の状況が今も続くなど、不安定な政局が影響したようだ。これについて韓国国防部は声明を出し「トランプ政権発足直後の今の時期、韓米関係の業務に問題が生じないよう万全の態勢を整えたい」との考えを明らかにした。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲米国防総省のヘグセス長官/聯合ニュース
  • 外交上の試練…米国が韓国を「センシティブ国」に指定、韓米関係に暗雲

right

あわせて読みたい