米国で行われた高校陸上選手権大会で、リレーの競技中に走行中の選手がライバル選手の頭をバトンで殴る動画が拡散され、当局が調査に乗り出した。
USAトゥデーなどが12日、報じた、それによると、今月3日にバージニア州リンチバーグで開催された室内陸上選手権の4×200メートルリレーの決勝第2レースで、走行中の選手が別の選手に暴行を加えていたことが分かった。
I.C.ノーコム高校3年のアライラ・エベレット選手とブルックビル高校3年のケーレン・タッカー選手は2位の座を巡って激しい争いを繰り広げていた。エベレット選手はカーブ区間でタッカー選手に抜かれると、手に持っていたバトンでタッカー選手の後頭部を殴った。
この影響でタッカー選手は自身のバトンを落とし、頭を抱えると、直後にバランスを失って転倒した。
タッカー選手はメディアとのインタビューで「カーブの手前でエベレット選手はひじで私の腕をずっと突いていた」「カーブを過ぎてようやくエベレット選手を追い抜いたが、その瞬間に彼女がバトンで私を殴った」と話した。
頭を殴られたタッカー選手は脳しんとうと頭蓋骨骨折の可能性があるとの所見に基づき、現在も治療を受けている。また、このけがでシーズンの最終試合に出場できなくなったことも分かった。
審判はエベレット選手が所属するチームをレース直後に失格処分にしたという。
タッカー選手の両親は、この騒動から1週間後にようやく相手選手の両親とチームの監督から謝罪を受けたとした上で「選手本人からの謝罪を望む」とコメントした。
騒動が拡大すると、エベレット選手は地域メディアとのインタビューで涙を流しながら「決してわざと殴ったわけではない。単なる事故だった」と主張した。さらに「走っていたら腕が絡まってバランスを失い、その過程でバトンが相手選手の頭に触れた」と話した。エベレット選手はタッカー選手に連絡を試みたが、SNS(交流サイト)でブロックされて連絡できなかったと釈明した。
エベレット選手は、問題の動画がネット上で拡散されたことで自分への殺害予告や人種差別的な侮辱メッセージに悩まされているとして、心理的苦痛を訴えた。
バージニア高等学校体育連盟(VHSL)は、この問題に関する調査を進めており、現在もエベレット選手の失格処分が維持されているとコメントした。
キム・ジャア記者