こうした現象について、中国側はノービザ政策のおかげだと分析している。中国政府は11月8日から商用、観光、知人訪問、交流訪問目的で中国を訪れる韓国旅券所持者に最大30日までビザを免除している。中国観光研究院の黄璜副研究員は「中国が実施したノービザ政策が韓国人観光客に大きな広報効果を発揮している。韓国人観光客は中国を訪問する際、一般的に国際交通ハブ都市を目的地に選ぶが、韓国への航空便が多い上海が第一の選択になる」と話した。
実際、中国の旅行予約サイト「トリップ・ドットコム」によると、中国が韓国人を対象にノービザ渡航を認めた後、上海を訪問する韓国人観光客による予約が前年同期比2.8倍以上、前月比で40%以上増えたという。中国新聞周刊は「ソウルから上海までの飛行時間が1時間55分にすぎず、価格も安く、一日に直行便が40便近くあり、『すぐに行ける』という条件を完全に満たしている」と分析した。さらに、中国は言葉の問題で旅行の難度が高いが、上海は中国本土でも特に開放された都市なので、韓国人が真っ先に検討する旅行先になっているとの分析もある。
中国旅行業界では、より多くの韓国人観光客を誘致するためにサービスの質を上げるべきだとの声が上がっている。韓国の料理研究家の禹英善(ウ・ヨンソン)氏は中国新聞周刊の取材に対し、「観光名所の看板に韓国語を追加し、ホテル、商店でも韓国語案内サービスを導入するなどして、韓国人観光客が中国でより良い時間を過ごせるようにすべきだ。上海にまだ知られていないさまざまな名所があるので、SNSなどを通じ、韓国人向けに上海の魅力を知らせる活動を強化しなければならない」と語った。
上海=イ・ユンジョン記者