■限韓令解除要請に習主席「文化交流に問題があってはならない」
会談で習主席が両国の文化交流に言及したのは異例だ。中国は2017年以降、韓中関係の変化に応じて韓国コンテンツの封鎖と解除を繰り返してきた。それが今回の習主席の発言で韓国のドラマやゲームなどの中国向け輸出が円滑化し、KPOP歌手の中国公演も再開される可能性が高まった。米国の第2次トランプ政権発足後、中国が韓米日協力に警戒を示す中で韓国との関係改善を意図したものとみられる。習主席は韓国における弾劾政局について「韓国の内政問題」と前置きし「韓国人たちにはしっかりと解決できる知恵と能力があると信じている」と述べた。禹元植議長は野党・共に民主党出身で、第22代国会では前半期の国会議長を務めている。
会談で習主席は尹錫悦政権が言及を避けてきた「韓中戦略的協力パートナー関係」に言及し「関係発展を強固なものにすべきだ」との考えを示した。2008年の李明博(イ・ミョンバク)政権当時、李明博大統領は当時の胡錦濤主席と「戦略的協力パートナー関係」を進めたが、尹錫悦政権発足後は公式の場で語られることはなかった。それが昨年11月のAPEC首脳会議での韓中首脳会談で再び言及された。
習主席は「今年は中国の抗日戦争(第二次世界大戦)勝利80周年であると同時に、韓国の光復80周年であり、両国は記念行事をしっかりと開催すべきだ」「(両国は)相互に融合し、互恵的な経済・貿易関係を深めなければならず、これは両国人民の共同の利益に合致する」との考えを示した。10年前の2015年9月に開催された中国の70周年戦勝節の際、当時の朴槿恵大統領が中国を訪問し習主席と共に天安門上に立った。中国国営中央テレビ(CCTV)の新聞聯播(ニュース番組)は習主席と禹元植議長が最前列で宴会場に入場する様子や、2人が会談する様子などを映し出した。
習主席と禹元植議長の席の間には極楽鳥花(ストレリチア)、蓮、菊、蘭などの花が並べられていた。極楽鳥花は強い意志、蓮は緊張緩和、菊は協力、蘭は尊重を意味すると解釈されている。中国が韓国に「関係改善と協力に向けた強い意志」を伝えたと考えられる。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員、キム・テジュン記者