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最高憲法解釈機関の権威と慎重さはどこへ? 韓国憲法裁、「馬恩赫問題」巡り直前に宣告延期を発表

■「候補者の『与野党合意』も確認していないらしい」

 崔権限代行は昨年12月31日、与野党合意がなされていないことを問題にして馬候補者の任命を保留した。崔権限代行側は「与野党合意があったかどうか確認すべき」として、保守系与党「国民の力」と進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の元・現職院内代表などを証人申請した。しかし憲法裁は1月22日の第1回弁論でこれを棄却し、その2日後に宣告日(2月3日)を決めた。崔権限代行側は「合意があったかどうかをもっと掘り下げるべき」として弁論再開を申請したが、憲法裁はそれすら、わずか3時間で棄却した。

 ところが宣告4日前の1月31日、憲法裁は午後1時ごろ突然、崔権限代行側に「与野党が候補者推薦書を国会議長に出した経緯を、きょう中に整理してほしい」と言ってきた。崔権限代行側は「急な要請には応じ難い」として再度、弁論再開を申請した。その後、何の回答もなかったが、結局は宣告当日に弁論再開申請を受け入れたのだ。

 部長判事出身のある弁護士は「与野党合意問題は最初から中心的な争点だった。早いうちに証人申請などを認めてやり、審理を充実させるべきだった」とし「憲法裁は、裁判を急ぐあまり、つまらない論争を自ら招いた」と指摘した。

■「裁判部内で意見対立が先鋭化しているようだ」

 「政治的偏向」で物議を醸している馬候補者の任命問題を巡って裁判官の間で意見が衝突しているのではないか-という分析も出ている。まず、憲法裁が今回の権限争議審判において「崔権限代行の馬候補者任命保留は誤っている」と宣告しようと思ったら、裁判官の過半数(5人)の賛成が必要だ。また、憲法訴願において「任命保留は違憲」と宣告しようと思ったら6人以上の賛成が必要になる。

 ある法曹関係者は「裁判官の一部が宣告に反対したり、中心的な争点についての追加審理が必要と主張したりしたようだ」と語った。黄道洙(ファン・ドス)建国大学教授は「『8人体制』でも十分に大統領弾劾事件の審理と宣告が可能なのに、わざわざ馬候補者任命問題から先に処理すべきなのかという問題を巡って、裁判官の間で意見が分かれていることもあり得る」と語った。

パン・グクリョル記者、キム・ナヨン記者

【表】異例の宣告延期に至った理由

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  • ▲グラフィック=鄭仁盛(チョン・インソン)
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