崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行による馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官候補の任命先送りが違憲かどうかについて、憲法裁判所は来月3日に宣告すると明らかにした。崔相穆代行は国会が推薦した憲法裁判官候補3人のうち、与野党で合意した2人だけを任命し、馬恩赫候補の任命は保留している。禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長はこれに反発して権限争議審判を請求し、それから1カ月で宣告されるというのだ。憲法裁判所はこの事件を宣告するため特別期日まで決めた。最大限短期間で決着をつけるためだ。もちろんこの問題も早期に整理する必要がある。国会が指名する憲法裁判官を大統領権限代行が任命できるか、あるいはその限界はどこまでか、この機会に整理する方が望まし。
【写真】「李在明代表と親しい人物が裁判長として裁判を行うのは公正性を期しがたい」 憲法裁に抗議する与党議員たち
ただ議論が起こっているのは憲法裁判所がこの問題を別の事件と余りに違った形で扱っている事実だ。憲法裁判所は李真淑(イ・ジンスク)放送通信委員長に対する国会の弾劾訴追案を何と5カ月が過ぎた一昨日(23日)棄却した。この弾劾は誰が見ても政略的な弾劾訴追だった。事件の審理に時間がかかる理由などないにもかかわらず5カ月もかかったのだ。今憲法裁判所には韓悳洙(ハン・ドクス)元権限代行弾劾案と韓悳洙首相弾劾定足数に関する案件、監査院長弾劾案、李在明(イ・ジェミョン)代表防弾を目的とする検事の相次ぐ弾劾訴追など、9件が係留されている。崔相穆代行の裁判官任命問題よりも短くて7日、長いものは29日も先に憲法裁判所に受理されたものだ。中でも韓悳洙元代行弾劾案は国政を安定させるためにも早期に結論を出さねばならない。ところが憲法裁判所はこれらの事件を全て後回しにし、馬恩赫裁判官問題から先に処理するというのだ。
もし憲法裁判所が「崔相穆代行は馬恩赫候補を任命すべきだ」との決定を下せば、問題はさらに拡大するだろう。馬恩赫候補は露骨な左派だ。判事としては国会議事堂を暴力で占拠した民主労働党の議員秘書らに対し控訴棄却の決定を下すような人物だ。現在、憲法裁判所は8人の裁判官がいるため審理には何の問題もない。朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領弾劾時の審理も8人で行われた。馬恩赫候補は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領弾劾に間違いなく賛成するため、憲法裁判所は尹大統領弾劾の可能性を高くするためこの人物の任命をごり押ししていると疑わざるを得ない。