■「超人気グループの活動再開」と「世代交代」、ツートラックで巻き返しを図れるか
韓国の歌謡界は積極的な追加投資によって危機の打開を模索している。大手エンターテインメント各社は年初から相次いで新人のデビュー計画を発表した。SMエンターテインメントは来月、新人ガールズグループ「Hearts2Hearts(ハーツ・トゥ・ハーツ)」と英国ローカライズのボーイズグループ「dearALICE(ディアアリス)」を正式にデビューさせる。JYPエンターテインメントは20日に新人ボーイズグループ「KickFlip(キックフリップ)」を送り出し、HYBEは年内にオーディション番組を通じてラテンアメリカでローカライズグループをお目見えする計画だ。YGエンターテインメントは昨年ガールズグループ「BABYMONSTER(ベイビーモンスター)」を正式デビューさせたのに続き、今年も新人グループ「NEXT MONSTER(ネクストモンスター)」(仮称)のデビューを準備している。
下半期に予定されているBTSとBLACKPINKの活動再開も、K-POP市場の成長を再びけん引し、回復のきっかけを作るとみられている。BTSは6月までにメンバー全員が除隊し、軍服務による空白期間が終わる。年内には完全体での活動を再開する見通しだ。BLACKPINKは今年下半期に完全体での海外ツアーを再開する計画だ。証券業界では、BTSが活動を再開すれば、来年上半期までの1年間でHYBEの売り上げの半分に相当する約1.87兆ウォンの収益を上げるとの見方が出ている。
K-POPの大型ライブ公演の需要も、市場回復のポジティブな兆候だ。現代車証券によると、25年のK-POP公演の観客動員数は1700万人に達し、前年比で27%と大幅に増加する見通しだ。個々のグループの観客動員数や公演回数も増加を続けている。3万-5万席規模のスタジアム公演を開催するグループは、23年のBTS、BLACKPINK、TWICE(トゥワイス)に続き、昨年はStray Kids(ストレイキッズ)、TOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー)、ATEEZ(エイティーズ)などが新たに加わった。また、1万-3万席規模のアリーナ公演を開催するグループも、23年の6組から昨年は17組に増えた。
サークルチャートのキム・ジンウ首席委員は「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の時期には公演が開催できず、ファンの支出がアルバム購入に集中したが、今は公演の方にも消費が分散している」とした上で「財布を積極的に開いていたコアなファンダム(熱狂的なファン集団)の成長が鈍化したとも考えられる。大衆的な需要を増やし、ファンダムの規模自体を拡大していくのが打開策になるだろう」と話した。
ユン・スジョン記者