国民の力「警察が市民に強硬対応」、共に民主「与党が支持者を扇動」 ソウル西部地裁乱入事件巡り相反する見解示す

国民の力「警察が市民に強硬対応」、共に民主「与党が支持者を扇動」 ソウル西部地裁乱入事件巡り相反する見解示す

 韓国の与野党は20日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の支持者たちによる「ソウル西部地方裁判所乱入・破壊事件」の原因と責任の所在を巡り、さまざまな見解を示して攻防を繰り広げた。与党・国民の力は「全国民主労働組合総連盟(民主労総)の前では限りなくおとなしい羊だった警察が、市民に対しては限りなく強硬な『強弱弱強(強い相手には弱く、弱い相手には強い)』という面を見せている」と、最大野党・共に民主党は「司法府の判断を違法だと言い続け、支持者を扇動した国民の力に大きな責任がある」と言っている。

【グラフィック】非常戒厳宣布前後に行われた違法デモ

 国民の力の権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長は同日の党指導部会議で「裁判所内に入らず外にいて捕まった市民についても、警察は『絶対に釈放するな』との命令を下したそうだ」「民主労総のデモ隊だったらとっくに釈放しているのではないだろうか」と語った。これは、警察が民主労総の違法デモ隊よりも今回の裁判所乱入者たちの方にいっそう厳格な基準を当てはめているという意味だと受け止められている。同党の申東旭(シン・ドンウク)首席スポークスマンも同日、「警察の対応に問題があると思うか」という記者たちの問いに「警察があまりにも消極的に対応したという指摘もある。デモ隊が裁判所内に侵入するのを警察が積極的に阻止しなかったとみられる画像もインターネット上に多数掲載されており、判断は難しい」と述べた。その上で「そうした部分があったなら、警察が『中に入った人々は全員暴徒だ』『無条件で拘束・捜査する』と発表したことも適切でないと考えている」と言った。

 その一方で、共に民主党の朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は党指導部会議で「国民の力も今回の『1・19裁判所暴動事件』に対して大きな責任がある」「違憲・違法な非常戒厳宣布で憲法機関である国会と選挙管理委員会の機能をまひさせようとした尹錫悦を擁護し続け、憲法と法律に真っ向から反する言動を日常的に行ってきた」と述べた。与党関係者の一部が尹大統領の逮捕状・拘束令状執行を阻止するためにその発行の適法性を問題視し、尹大統領支持者の裁判所乱入に影響を与えたという主張だ。金民錫(キム・ミンソク)最高委員はこの会議で「特に(尹大統領弾劾に反対するサラン第一教会牧師)全光焄(チョン・グァンフン)の集会の責任を厳しく指摘する時が来た」「弾劾反対集会に動員するためアルバイト代の支給を公言し、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)近くで焼身自殺事件があった後は『効果のある死を迎えなさい』との妄言を発し『ソウル拘置所に入って強制的にでも大統領を出さなければならない』と扇動した」と言った。ハン・ミンス・スポークスマンは「国民の力は尹錫悦を党員から直ちに除名すべきだ」と述べた。

キム・スンジェ記者

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