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AIが牛を育てたら「死亡率が67%減った」 韓国畜産業にもAIの波

生体データを収集し、疾病を予測

 人工知能(AI)技術は牛や豚を育てる畜産業にも変化をもたらしている。韓国のスタートアップ企業「バディッ」は、首輪型の「ファーマーズ・ハンズ」を開発した。子牛の首にこの首輪を付けると、AIが子牛の呼吸や咳、動き、食べる量を感知し、疾病を予測する。

【写真】AI技術で牛の状態をリアルタイムで検知する様子

 モノのインターネット(IoT)機能が搭載されたカプセルを活用した技術もある。韓国のウェルケアが開発した「ウェルケア・カウケア」は、錠剤型のスマートカプセルを口から投与すると、牛の腹の中にとどまって各種の生体データを収集する。これをAIが分析し、交配の時期や分娩(ぶんべん)のタイミング、健康状態を知らせてくれる。

 畜産大国オーストラリアの畜産企業「マヤグレージング」は、牛や羊の牧場の運営に先端技術を活用している。オーストラリアでは広大な牧草地で放牧の形で家畜を飼育しているため、ドローンや無線GPS追跡機、各種センサーを活用して家畜の移動経路、飼料や水の状況などのデータを収集している。このデータを基にAIが放牧パターンを最適化し、牧草地の管理計画を提案してくれる。

 AIによって畜産データを収集・分析する韓国のソリューションシステム「ファームズプラン」は、AI機能が組み込まれた監視カメラで家畜をリアルタイムでモニタリングする。AIが家畜の個体数、動き、体温などの状態をリアルタイムで監視し、異常の兆候を迅速に感知する。収集されたデータをAIが分析し、餌の量の調整や必要な抗生物質の提案など、家畜の健康管理計画を提示してくれる。会社によると、このシステムを導入した農家では、家畜の死亡率が以前より67%減少し、生産性は30%向上した。さらに、農場で使用する医薬品の費用は65%削減されたという。

 家畜を飼育するだけでなく、豚の食肉処理作業に特化したAI技術も開発されている。豚は形や大きさが異なるため、骨や筋肉の位置を正確に判断して正確に切開・摘出することが重要だ。AIロボット企業「ロボス」の食肉処理ロボットは、これまでに300万頭以上の豚の生体データを学習した。このデータを基に豚をスキャンして3Dデータに変換・分析し、正確な位置と深さを判断して切断する。従来の自動食肉処理機の誤差率は5-10%だったが、AIを搭載した食肉処理ロボットの誤差率はわずか0.1-0.2%にすぎない。

ユン・ジンホ記者

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