高位公職者犯罪捜査処、法手続き無視の次は公文書偽造疑惑【1月16日付社説】 尹大統領逮捕

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を逮捕するまで絶えず違法論争を呼び起こしてきた高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が、逮捕当日も公文書偽造疑惑に巻き込まれた。公捜処は逮捕前日、大統領官邸の外郭警備を担当する第55警備団に「令状執行のための出入許可を受けた」と告知した。だが国防部(省に相当)と警護処がこれを否定すると、出入許可の公文の写真を公開した。この公文は、公捜処の捜査協力要請文書にメモを貼って第55警備団長印を押したものになっていた。第55警備団長が押印を拒否すると、共助捜査本部の捜査官が印を手にして自ら押したという。公文書偽造に近い行動だ。公文書偽造は深刻な犯罪だ。公捜処は「そんなことはない」としつつも、具体的な釈明は行っていない。

【写真】罪名「内乱首謀」 尹大統領の弁護士が公開した捜索令状

 こうした違法、手続き無視の行いが各所で繰り広げられた。そもそも内乱罪の捜査権を持たない公捜処が捜査に乗り出したことから問題だった。公捜処は、管轄のソウル中央地裁ではなく西部地裁に尹大統領の逮捕状を請求し、「判事選び」疑惑を招いた。その判事は逮捕状に勝手に、押収・捜索の例外条項の適用を排除するという内容を適示した。裁判官でもない憲法裁判所の事務処長が、国会で「一人裁判」をするかのように発言した。国会は韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行を弾劾訴追しつつ「151議席が定足数」だと勝手に決定した。もし韓代行の弾劾が憲裁で棄却されたら、崔相穆(チェ・サンモク)代行代行の「憲法裁判官2人任命」なども連鎖して物議を醸すことになりかねない。

 尹大統領の逮捕は、今後行われる司法手続きの始まりに過ぎない。ところがその第一歩から違法、手続き無視論争が混乱を呼んでいる。これではどんな結論が出ようと、多くの国民が結果に納得できない。政治不安の日常化につながりかねない。今からでも、あらゆる手続きを適法かつ公正に進めなければならない。

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  • ▲15日午前、大統領官邸正門を通過する公捜処捜査官と警察の人員。2025.1.15/写真=ニュース1

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